血管を一気に若返らせる3つの柱。活力の正体は自律神経
第2の柱「自律神経」
これによって血管そのものをケアすることができるのです。
動脈は心臓の拍動を受けて血管自体がうねうねと波打つように動き、血液が流れています(拍動流)。
静脈は筋肉層がないため、血流が一定です(定常流)。
この拍動流があることで血管に好影響をおよぼしています。
血管の中で血液が拍動しているため、より隅々の組織まで血流を送ることができます。
また、血流によって血管の柔軟性を保てます。
動脈硬化の予防にもなります。
ドイツでおこなったときの主要な研究テーマで、論文にも出した実験があります。
犬に人工心肺装置を使った実験で、心室細動を誘導して拍出を止めてしまい、駆動ポンプを拍動流が強制的に定常流に切り替えるのです。
すると、流れる血液量は同じでも組織に血液がいかなくなることがわかりました。
定常流になると頸動脈にあるレセプターから交感神経を介して脳に心臓が止まったという情報が伝わります。
すると、交感神経を刺激し、副腎からアドレナリンを出して、血管をグッと締めます。
ホルモンの作用で血管を収縮させようとするのです。
つまり、脈圧が小さくなるとしだいに血管は硬くなるのです。
血管を締めて開く。締めて開く。
この繰り返しによって拍動流が保たれます。
血管を収縮させるのは交感神経、血管を拡張させるのは副交感神経です。
すなわち自律神経を鍛えることで拍動流が保たれます。
自律神経を鍛える方法として、「感動」をテーマとした生活習慣を築きましょう。
経験豊富な老年期のほうが、感動は深くできるようになります。
老いるほど血管を強くする健康法です。
第3の柱「食事法」
最後は、「食事法」です。
糖やコレステロールの少ないさらさらの血液をつくり、血管壁が傷つかないように気をつけることで血管力は保たれます。
「食のコントロールは難しい」と多くの人が言います。
街を歩けばおいしそうな食べ物が並んでいます。
テレビを見ればおいしいお店やお土産が紹介されます。
これに慣れきっている私たちにとって誘惑を断ち切るのは至難の業です。
さらに甘いものや脂っこいもの、味付けの濃いものはどうしても病みつきになります。
なぜ食生活が変わらないかというと食に対するイメージが変わらないからです。
嗜好は思考によって決められています。
何かを食べると「おいしい!」という記憶が残ります。
「おいしい!」は副交感神経が働いている証拠です。
副交感神経を働かせた記憶は、海馬を通して前頭野にシグナルがいきます。
それがたんに経験したとは違った残りやすい記憶になるのです。
このため、おいしかったものを見ると、また食べたくなります。
このカラクリを理解しておけば、嗜好を変えられます
自律神経をコントロールして無理なく嗜好を変える食事法を紹介します。
「これを食べればいい」と言えば、それだけを食べてバランスを崩します。
そこで、1つの食材に焦点を当てずに、血管力を高める食事の方向性を知り、また嗜好をいかに変えられるかに焦点を当てて述べていきます。
「運動」「感動」「食事」を日常生活で意識することで、何歳からでも血管を若返らせることができます。
血管力を高めるポイント
・心臓をケアした運動で血液循環をよくする
・感動を味わい、自律神経を鍛えて血管の柔軟性を保つ
・老けない血管をつくる食べ物を知る
「老いるほど血管が強くなる健康法 より」
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虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
また、ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若返りにもつながると考えられます。
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