第10章 「そんなにうまくいくわけがない」と考える
世の中には楽観的な人もいれば悲観的な人もいます。
それは性格なので、「どちらがいい」ということはありません。
ただ、自律神経の観点からすると、やはり悲観的な人より楽観的でいられるほうがいいコンディションをキープしやすいとはいえます。
私自身、性格的には楽観主義だと思うのですが、これはなにも「きっとうまくいく」と思っているわけではありません。
私の思考はむしろ逆で「人生、そんなに甘くない」「うまくいかなくて当たり前」と思っています。
まさに期待しない生き方。
わたしがよくいう「Don’t believe anybody」(だれも信用しない[=すべて自分の責任])も基本は同じ考え方です。
それだけ聞くとひどく悲観的に感じるかもしれませんが、人生なんてそんなものだから、何があっても大丈夫。
大丈夫どころか、それが普通。
私はいつも、そんな「シン・楽観主義」で生きているのです。
たとえば、私はよく講演を頼まれます。
わざわざ集まってくれた人たちにとって、少しでも役立つ情報を与えたい、有意義な時間、楽しい時間を過ごしてほしいと願っています。
しかし、集まってくれたすべての人に、その価値を感じてもらうのは不可能。
人生そんなに甘いものではありません。
だから私は、たったひとりでも「よかった」と感じてくれる人がいるならOK。
そう考えるようにしています。
書籍にしてもそうです。
読んでくれる人全員を満足させるなんて無理な話。
もちろん常に全力は尽くしますが、結果に過度な期待はしません。
でも、それが私の自律神経を整え、いいコンディションといいパフォーマンスにつながっています。
どんなことも「そんなにうまくいくわけがない」。
こんな「シン・楽観主義」も案外おすすめです。
「はじめる習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?