第2章 <干し野菜・きのこ>食物繊維が驚きの15倍 腸が整う干し野菜作り
ここに効果的!→こつ(骨)けつ(血管)ちょう(腸)
野菜をたくさん食べるための工夫のひとつが、干し野菜や干しきのこ。
かさが減って量を食べられるうえに、甘みや栄養素もギュッと凝縮されます。
たとえば、切り干し大根は生の大根に比べて、食物繊維とカリウムが約15倍、ビタミンB1は約18倍、カルシウムはなんと21倍にもなります。
戻し汁も捨てずに、煮汁やみそ汁などに使えば栄養素を残さずいただけるし、牛乳やヨーグルトで戻せば、カルシウム量はさらにアップ。
カリウムは血圧を安定させてくれるので、高血圧ぎみの人にもおすすめです。
好みの野菜を薄めや小ぶりに切り、ざるや網にのせて半日干せば半生に、1日干せばカラカラに。
日の当たる野外でも屋内でも、どこでもオッケー。
しいたけなんかは、表面積の多い裏のひだ側から、1時間太陽に当てるだけでビタミンD2が3倍以上に、3時間で約5倍に増えたという研究もあります*。
さらに、干ししいたけを裏側から干すと、1時間で約24倍に!
*神戸女子薬科大学衛生化学研究室『日光照射によるシイタケ中のビタミンD2増量効果』
栄養価が格段にアップ!
・腸を整える
・高血圧を予防
・免疫力アップ
・骨の強化
・食物繊維・カルシウム・カリウム・葉酸・ビタミンB群・ビタミンD(きのこ類)
レシピのいらない食べ方
「切り干し大根のヨーグルトあえ」でお手軽腸活
洗って水気をきった切り干し大根をキッチンバサミで食べやすい長さに切ります。
ビニール袋に大根とヨーグルトを入れなじませたら空気を抜いて冷蔵庫で一晩おき、海苔の佃煮を加えてまぜます。
ミニトマト、あえもの、大葉の順に盛りつけ、仕上げに粉チーズ、塩・コショウをふりかけます。
腸内環境を整えるさっぱり味のあえものはクセになること確実です。
分量の目安(2人分)
切り干し大根(細め)…10g
ヨーグルト(プレーン)…30g
海苔の佃煮…小さじ1
ミニトマト(縦に4つ切りする)…6個
大葉(千切り)…1枚
塩・コショウ…少々
粉チーズ…小さじ1
「鎌田式 長生き食事術 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?