第1章 <秘策3>5冠王の減塩法 ごちそうみそ汁
ここに効果的!→きん(筋肉)こつ(骨)けつ(血管)のう(脳)ちょう(腸)
長野県に赴任したときに最初に手掛けたのが、住民の方々の塩分量を減らすことでした。
塩分たっぷりの野沢菜の漬物でごはんを何杯も食べる文化があり、血管が詰まって当然です。
脳卒中は日本人の死亡原因の上位に入り、要介護の引き金にもなります。
その原因のひとつが、塩分のとりすぎによる高血圧だとわかっています。
脳卒中や動脈硬化、心筋梗塞などを防ぐためにも、減塩は必要です。
みんなに減塩法を聞いたところ、「野菜いっぱい」「減塩しょうゆを使う」「酢やレモンをかける」など、さまざまな声が聞かれました。
どれも素晴らしい方法だけど、とくに酢を使うのはいいですね。
料理に酸味を加えるだけで、手軽に、自然と塩分がひかえられます。
さっぱりとして食べやすくなり、うまみが増して食欲もアップ。
ぼくはいつも、しょうゆとお酢を2:1で合わせた手作り減塩酢じょうゆを使ってます。
もうひとつ絶対におすすめしたいのが、野菜たっぷりの「ごちそうみそ汁」。
野菜に多いカリウムには、塩分にふくまれるナトリウムを外に排出する作用があります。
カリウムは水に溶けやすいので、みそ汁はぴったり。
とくに「ごちそうみそ汁」は、きん、こつ、けつ、のう、ちょうの5冠王。
ベーコンや卵は筋肉をつくり、大豆を発酵させたみそは腸によく、骨も強化してくれます。
たっぷり野菜で血管も強くし、抗酸化力で脳の老化も防いでくれます。
塩分量を簡単におさえられる減塩食事術をチェック
【長生き減塩術1】
野菜たっぷり「ごちそうみそ汁」
にんじん、オクラ、キャベツ、しめじ、カボチャ、さつまいも、卵など10種の具を使った、その名も「ごちそうみそ汁」!
具はお好みでいいけれど、ベーコンを入れると本当においしい!
いも類もカリウムが多いのでおすすめ。
【長生き減塩術2】
いろんなお酢を使う
・米酢 お米の甘味、うまみを感じる。コクが強いのが特徴。
・穀物酢 麦やトウモロコシなどが原料。クセがなく料理によく合う。
・黒酢 玄米が原料。濃い味で中華料理にぴったり。
・果実酢 りんごなどの果実のお酢。ドレッシングにもってこい。
・バルサミコ酢 ぶどう果汁から作るお酢で、肉や野菜のソースにぴったり。
「鎌田式 長生き食事術 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?