第2章 <トマト>リコピンの抗酸化作用が 血管・肌の老化を防ぐ
ここに効果的!→けつ(血管)のう(脳)
トマトはビタミン豊富で栄養満点。
中でも注目の栄養素がリコピンです。
体内では細菌を攻撃する活性酸素がつくられますが、これが増え過ぎると脳の疾患や肌の老化につながります。
リコピンは、まさにその対策となる栄養素。
抗酸化力はビタミンEの約100倍ともいわれ、活性酸素が過剰に出るのを防ぎます。
また悪玉コレステロールの酸化をおさえるため、血流改善にも効果を発揮。
血管・心疾患のリスクを減らすことまで期待できるんです。
リコピンとは、トマトの赤色のもとになる色素。
赤く熟したトマトほどリコピンが多くなります。
リコピンは熱に強く脂溶性のため、油と一緒に調理するのもおすすめです。
また、トマトジュースやトマト缶を活用するのもいいですね。
加工することでトマトの細胞壁がこわれ、リコピンの吸収率がアップします。
Β⁻カロテンなどほかの栄養素もたっぷりなので、加工品もうまく活用し、トマトを食べる習慣を身につけてください。
老化を防いで血のめぐりもよくなる
・動脈硬化を予防
・心筋梗塞を予防
・美容効果
・リコピン・ビタミンC・β⁻カロテン・カリウム・ビタミンA・食物繊維
レシピのいらない食べ方
スイーツの代わり「トマトのハニーマリネ」
ミニトマトにつまようじで10カ所くらい穴をあけます。
保存袋にはちみつ、オリーブオイル、米酢を入れ、よくもんでまぜて、ミニトマトを入れて冷蔵庫で3~4時間冷やせば完成です。
皮ごといだくうえに、オリーブオイルと一緒に食べるため、リコピンの吸収率がさらにアップ!
はちみつの甘みと米酢のほのかな酸味がつまようじであけた穴から浸透し、絶品です。
塩分ゼロの手軽な副菜として、ビタミン補給できるおやつとして活用してください。
分量の目安(2人分)
ミニトマト…10個
オリーブオイル…大さじ1
はちみつ…大さじ1
米酢…大さじ2/3
ブラックペッパー…お好みで
「鎌田式 長生き食事術 より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?