第2章 <卵>1日3個で命を支え認知機能の向上も!
ここに効果的!→きん(筋肉)のう(脳)
毎日、1日3個を目標に卵を食べています。
手軽なうえに、アミノ酸スコアの高い良質なたんぱく質が1個当たり7.3g。
3食にゆで卵をつけるだけで、1日に必要なたんぱく質量の約3分の1がとれてしまいます。
卵は、1日に必要な栄養素のほとんどをふくむ完全栄養食。
命を支える栄養素をまるごといただきましょう。
昔はコレステロールを気にして卵は1日1個といわれたけど、この制限はなくなりました。
むしろ、総コレステロールが少し高いほうが血管障害が起きにくいというデータもあるほどです。
また、卵黄コリンは吸収されると血流にのり、アスタキサンチンと同じように血液脳関門を通過することができます。
さらに、神経伝達物質の材料になるため、記憶力の低下や認知症を予防する効果も期待できます。
大リーガーの大谷翔平選手も、よく卵を食べるとか。
どうもゆで卵派のようです。
ゆですぎは消化が悪くなるため、ゆで卵は半熟がおすすめです。
筋肉を育て、脳活効果も期待!
・筋肉量アップ
・認知機能アップ
・記憶力の維持
・美容効果
・たんぱく質・ビタミンD・卵黄コリン・オレイン酸・ビタミンA・カリウム
レシピのいらない食べ方
ウーロン茶に漬けた「減塩味つけ卵」
ウーロン茶とめんつゆを5:1の割合でまぜた液に、ゆで卵を1日漬けるだけ。
めんつゆの量を減らしているので、普通の味つけ卵より塩分を減らせるし、しっかり茶色がつくことで視覚的にも減塩につながります。
作り置きすれば、冷蔵庫で2~3日は保存できますよ。
3食に手軽に添えられるし、めんつゆが効いて、ちゃんとおいしい!
「たん活おやつ」にもぴったりだし、運動の前後にプロテインがわりに食べてもいいですね。
鎌田塾で人気の、たん活・脳活の飛び道具です。
<分量の目安>
ゆで卵…6個
3倍濃縮めんつゆ…60ml
ウーロン茶…300ml
「鎌田式 長生き食事術 より」
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
なお、レシチンをアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?