第2章 <牛乳>「朝乳」で筋肉を増やし「夜乳」で良質な睡眠を
ここに効果的!→きん(筋)こつ(骨)
「牛乳を飲むな」という人もいるけれど、海なし県の長野県を平均寿命日本一にするとき、ぼくは牛乳を1日1本飲むようにすすめました。
良質な魚のたんぱく質が足りなかったからです。
牛乳1杯(約200ml)には、「乳たんぱく質」が6.6gふくまれ、毎朝の1杯で、成人男性の平均たんぱく摂取量の約10分の1を補えてしまいます。
ぼくは「朝たん」をすすめていますが、朝の牛乳、「朝乳」はとくにおすすめ。
いそがしい朝も牛乳なら手軽だし、カナダの研究*では、朝食時に牛乳を飲むと、食後の血糖値が上がりにくいというデータも出ています。
*ゲルフ大学とトロント大学との共同研究
逆に、睡眠障害のある人には、寝る1時間前のホットミルクをおすすめしています。
つまり「夜乳」です。
牛乳に含まれるトリプトファンが睡眠ホルモンの材料になるうえに、カルシウムがリラックス効果を生み出します。
また、牛乳は小魚や野菜などに比べてカルシウムの吸収率が高いため、骨活にも強力な相棒になってくれます。
毎朝の1杯が筋肉をつくる!
・筋肉量アップ
・骨の強化
・イライラ防止
・不眠の解消
・たんぱく質・ビタミンB群・カルシウム・ロイシン・カリウム・トリプトファン
レシピのいらない食べ方
たん活おやつにぴったり!「ミルクもち」
なべに砂糖・片栗粉を入れてまぜ合わせたら、牛乳を加えて中火にかけ、ヘラでかきまぜながら火を通します。
とろみがついてまとまりが出てきたらお皿に盛り、お好みできな粉を添えましょう。
ふわふわもっちりでやさしい甘み。
牛乳ときな粉のたんぱく質がとれるので、「たん活おやつ」にもぴったりです。
トッピングは、ごま、ゆであずき、フルーツなどもおすすめ。
シンプルな味わいなのでいろいろ添えて味の変化を楽しんでください。
分量の目安(2人分)
牛乳…200ml
砂糖…大さじ2
片栗粉…30g
トッピング…お好みできな粉、ごま、ゆであずき、フルートなど
「鎌田式 長生き食事術 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?