
血管壁の老化が招く高齢者の脳梗塞
心血管病に対する一般のイメージは、栄養のとりすぎによってコレステロール値が高くなり、血液がドロドロになって血管が詰まるというものでしょう。
それが脳の血管で起きると脳梗塞になるわけです。
血管の内部にアテロームと呼ばれる粥状の物質が沈着するために、血管の内側が狭くなって血流が悪くなって起きる症状です。
これは欧米に多いタイプの脳梗塞で、脳の表面を覆っている太い血管(皮質枝)が詰まり、皮質下に大きな梗塞ができるのです。
これこそが、低栄養の高齢者に起きやすい脳梗塞なのです。
脳内を貫通している細い血管(穿通枝)に起こりやすく、神経の信号を伝える通り道に出血や梗塞が起きるため、大脳から脊髄の神経に行く道が断たれてしまい、半身不随といった症状が起きます。
2003年ごろに、脳卒中の患者さんを200人ほど集めて調査をしたことがあります。
おかげで、日本の一般的な高齢者まで、肉、脂肪が血管を詰まらせるという強迫観念にかられているのが現状ではないでしょうか。
そのために、今度は逆の問題として、高齢者に低栄養状態が起きてしまっているのです。
疫学データをもとにして1960年代からそうした発表をしていたのです。
ところが、その論文をアメリカの有名な医学ジャーナルに投稿しても、受け付けてもらえなかったといいます。
ところで、コレステロールにも二つの種類があることは、よく知られるようになりました。
「同じコレステロールでも、HDLコレステロール(善玉コレステロール)はいいけれど、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)は限りなく少ないほうがいいのではないか」、そう考えている方も多いでしょうが、必ずしもそうとは限りません。
ですから、LDLコレステロールを「悪玉」と呼ぶことが正確であるかという点にも疑問が残ります。
一方、HDLコレステロールが「善玉」であることは間違いなく、こちらは高いほどよく、低いほど問題があるようです。
「50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
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ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。
ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸。
ビタミンが欠乏すると、記憶障害、無気力、集中力の低下、妄想、錯乱の症状が出ることは事実です。
さらに、ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経の働きを助けます。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると神経過敏などの症状が起こりやすくなるのです。
脳や神経とも関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
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残念ながら現代社会に生きる私たちは、栄養的に見るとかなり厳しい環境に生きています。
まず、野菜は昔と変わらぬ色や形をしていますが、栄養価は、ずいぶん非力になっています。
今のニンジンは、50年前の8分の1から20分の1にまで低下していると言われています。
化学肥料や農薬などが使われ、ハウス栽培によって旬がなくなり、また、収穫後の輸送・陳列・保存、こうした時間の経過、さらに調理することで栄養価が消失します。
果実なども栄養価が未熟なまま出荷され、また畜産物や海産物も例外ではありません。
私たちは今の環境の中で最善の方法を模索するしかありません。
大切なのは、毎日、ちゃんと噛んで食べること。
よく噛んで食べることは脳の発達によい、ということは科学が証明しています。
まずは食事・生活習慣を見直し、「栄養価の補充」としてサプリメント(栄養補助食品)を活用してみてはいかがでしょうか。
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