認知症は脳の栄養不足

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認知症は脳の栄養不足
 
これまでの調査では、栄養状態が認知機能とも関連があることがわかりました。
低栄養の状態が長く続くと、認知機能が低下して認知症になりやすくなるのです。
 
具体的には、アルブミンコレステロールの値が低い人を追跡調査すると、その後に認知機能が低下する場合が多いのです。
アルブミンコレステロールは、タンパク質や脂質の摂取と関係していますので、その不足が認知機能の低下を促進するのではないかと思われます。
 
もちろん、認知症の原因が食事だというのではありません。
少なくともアルツハイマー病に関しては、神経細胞の脱落といったメカニズムによって発生することが知られています。
しかし、それを促進したり、進行を抑えたりする要素が食事にあるのは不思議ではありません。
 
認知機能と医療費や介護費との関係を調べてみました。
新潟県のある自治体において、約1500人の高齢者を4年間にわたって追跡調査した結果です。
まず、MMSE(簡易認知機能検査、30点満点で得点が高いほどよい)という検査を行い、その成績から26点以上群(正常群)2425点群(軽度低下の疑い)2123点群(軽度から中等度低下の疑い)、さらに20点以下群(認知症の疑い)4群に分けました。
そして、それぞれの群に入る高齢者がその後の4年間に使った医療費や介護費を調べ、その合計金額を比較したのです。
 
一人あたりの高齢者が1年間で使った平均費用:医療・介護給付費(万円/人・年)
26点以上:37.224-25点:53.321-23点:82.420点以下:145.4
 
このように、認知機能と医療費や介護費用は非常に深い関係があって、認知機能が落ちてくるほどそれらの費用はかさんできます。
 
体格と介護費用の関係も調べてみました。
1000人近くの高齢者を39ヶ月にわたって追跡調査した結果です。
 
 男女ともBMIがもっとも低い人、つまりやせている高齢者のほうが、介護費用をたくさん使っているのです。
いい換えれば、太っている人のほうが元気なのです。
 
 もちろん、アメリカ並みにBMI3040という人が数多くいれば、太った人にかかる費用が増えていくことでしょう。
しかし、日本人のBMI25でも高いほうで、30を超える人はほとんどいません。
地域にもよりますが、その比率は1%から3%程度。
それも、アメリカ人からしてみれば、せいぜいぽっちゃり型といったところでしょう。
 
 前述のように、患者さんの認知機能が落ちていくと、それに要する医療費や介護費用は雪だるま式にかさんでいきます。
ですから、なるべく早めに手を打って、認知症の進行を遅らせることができれば、それが社会的な負担を減らすことにつながるのです。
もちろん個人差はあるでしょうが、患者さんの栄養状態を向上させることが、その一つの方法になるかもしれません。
50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
 
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   認知症とビタミンB12の関係の本当のところは?
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ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。
ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12葉酸
 
ビタミンが欠乏すると、記憶障害、無気力、集中力の低下、妄想、錯乱の症状が出ることは事実です。
東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者の血中ビタミンB12は、通常の人より少ないそうです。
認知症患者に、ビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽くなると言われています。
 
老人の認知症3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、タンパク(アミロイドβタンパク)合成と核酸合成の両方に役立っています。
 
さらに、ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経の働きを助けます。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると神経過敏などの症状が起こりやすくなるのです。
脳や神経とも関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。

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残念ながら現代社会に生きる私たちは、栄養的に見るとかなり厳しい環境に生きています。
まず、野菜は昔と変わらぬ色や形をしていますが、栄養価は、ずいぶん非力になっています。
今のニンジンは、50年前の8分の1から20分の1にまで低下していると言われています。
 
化学肥料や農薬などが使われ、ハウス栽培によって旬がなくなり、また、収穫後の輸送・陳列・保存、こうした時間の経過、さらに調理することで栄養価が消失します。
果実なども栄養価が未熟なまま出荷され、また畜産物や海産物も例外ではありません。
 
私たちは今の環境の中で最善の方法を模索するしかありません。
大切なのは、毎日、ちゃんと噛んで食べること。
よく噛んで食べることは脳の発達によい、ということは科学が証明しています。
まずは食事・生活習慣を見直し、「栄養価の補充」としてサプリメント(栄養補助食品)を活用してみてはいかがでしょうか。
 
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