ご飯のおかげで日本は長寿国になった

イメージ 1
ご飯のおかげで日本は長寿国になった
 
ご飯ほど優れた主食はありません。
かつては、粗末な食卓にあって、カロリーを補給する重要な役割を負っていました。
そして現在では、和食にも洋食にも合わせることのできる主食として、日本人の健康長寿を支える存在となっています。
 
「老化防止を目指した食生活指針」の8番目には「食欲がないときは、おかずを先に食べ、ご飯を残す」とありますが、これはけっして、ご飯をおろそかにしていいという意味ではありません。
あくまでも、食欲がないときの優先順位を示したものです。
エネルギーを生む炭水化物も大事ですが、何よりもまず、体自体をつくる栄養素を重視してほしいという意味なのです。
 
何といっても、日本食の中心はご飯です。
実は、日本人が和食と洋食をうまくミックスさせて、双方のいいとこどりをできるのは、食事の中心にご飯があるからだといっても過言ではありません。
 
淡白な味のご飯だからこそ、味のついたおかずをからめて食べることができます。
このときのおかずは、漬物や焼き魚、煮魚はもちろん、ステーキでもシチューでも合います。
ご飯という役者は、場面に応じて、どんな相手にも合わせることができる素晴らしい存在なのです。
 
ところが、パンではなかなかそうはいきません。
パンに漬物、パンにしらすおろしでは、想像しただけでも食欲がわかないでしょう。
合わせる食材が限られてしまうのです。
しかも、パン食の場合、合わせる料理は油の多いものが中心となり、栄養分にくらべてカロリーが高くなりがちです。
 
その点、米食ならば、エネルギーを積極的にとりたいときには、カロリーたっぷりのおかずと合わせることができます。
逆に、「このところ、カロリーをとりすぎている」と感じたら、さっぱりとしたおかずで済ますことも可能なのです。
 
過去の日本人に、カロリー過剰による心臓病や動脈硬化が少なかった原因が、タンパク源を魚介類におく米食中心の食生活にあったことは、数多くの学者が指摘していることです。
 
もっとも、その代わりに栄養不足を原因とする脳卒中が多く、長寿は達成できなかったという面もありました。
そこに、戦後になって世界各地から肉や牛乳などの新しい食材が入ってきて、ほどほどにカロリーが高くなると同時に、さまざまな栄養素が補給できるようになったのです。
そうした背景があったからこそ、現在の世界一の長寿国が実現したのではないでしょうか。
 
伝統的な和食と洋食のどちらが優れているかというのは、あまり意味のある議論ではありません。
むしろ、もともとの和食の長所に加えて、世界各地の優れた食材が入ってきて、バランスのよい食卓が実現したのではないでしょうか。
 
【老化予防を目指した食生活指針】
1         食事は1日に3回バランスよくとり、食事は絶対に抜かない。
2         動物性タンパク質を十分にとる
3         魚と肉は11の割合でとり、魚に偏らないようにする
4         肉は、さまざまな種類や部位を食べるようにする
5         油脂類の摂取が不足しないように注意する
6         牛乳は毎日200ミリリットル(1)以上飲む
7         野菜は、緑黄色野菜や根菜類など、たくさんの種類を食べ、火を通して調理し、摂取量を増やす
8         食欲がないときは、おかずを先に食べ、ご飯を残す
9         調味料を上手に使い、おいしく食べる
10     食材の調理法や保存法を覚える
11     和風、洋風、中華など、さまざまな料理をつくるようにする
12     家族や友人と会食する機会を増やす
13     かむ力を維持するため、義歯の点検を定期的に受ける
14     健康情報を積極的に取り入れる
50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
水溶性ビタミンであるビタミンB12は、最終的には排泄されますが、それまでの間、体内でさまざまな働きをします。
ビタミンB12場合、とくに1000マイクログラム以上の大量をとると、一種の押し込み効果(ある成分を大量にとることにより、吸収率が増す効果)により、吸収・利用率が高まります。
また、ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

 イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
また、人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
詳細はこちらへ