食べずに運動する危険性

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食べずに運動する危険性
 
実は、運動をするときにも栄養補給は重要なポイントです。
低栄養の人が運動すると、かえって体にマイナスの結果をもたらしてしまうからです。
 
低栄養の人が運動をしようとしても、それに必要なエネルギーが体内にありません。
食事で十分なカロリーをとっていないからです。
するとどうなるかというと、体内のタンパク質を分解してエネルギー源にしてしまうのです。
 
これでは逆効果です。
運動で筋肉をつけようとしているのに、逆に筋肉が落ちてしまう結果になります。
とくに、高齢者の場合、その影響が顕著に出てしまいます。
その理由は、高齢になるとタンパク質の合成系よりも分解系の力が強くなってしまうからです。
 
運動するときはしっかり栄養もとること。
それが元気老人となるための条件です。
 
東京都健康長寿医療センターでは、高齢者向けの体操教室を11時間ほどで週2回実施しています。
1コースは3ヶ月で終了するのですが、その前後、あるいは1年後に体力や運動能力がどのように変化したのかという調査をしています。
 
その調査のなかで、運動の前後に栄養をとった場合、体力や運動能力にどういう変化が生じるのかを試してみました。
 
実験に使ったのは、大豆タンパクを分解したオリゴペプチドを含む飲料で、アミノ酸を直接飲むより消化吸収されやすいという特徴があります。
 
そして、これを飲んだグループと飲まないグループに分けて、1コース3ヶ月間の運動効果を測ったのです。
 
すると、ただ運動するよりも、こうしてタンパク質(の原料となるペプチド)を補充したほうが、筋力がアップしたり、歩行速度が速くなったりするという効果が確認されました。
 
こうした効果については、別の研究員も違った方法を使って確認しています。
対象となる高齢者に、筋肉に多いアミノ酸を強化したアミノ酸のカクテルを飲んで運動してもらったところ、運動の効果がアップするという結果が出たのです。
 
ここでは、実験のために栄養飲料を使用しましたが、実際にはふだんの食事で栄養を補給するのが理想です。
要するに、ただ運動するだけではなく、運動の前後でタンパク質をしっかりとっておくことが、運動の効果を高めるということははっきりしています。
50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
 
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近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
水溶性ビタミンであるビタミンB12は、最終的には排泄されますが、それまでの間、体内でさまざまな働きをします。
ビタミンB12場合、とくに1000マイクログラム以上の大量をとると、一種の押し込み効果(ある成分を大量にとることにより、吸収率が増す効果)により、吸収・利用率が高まります。
また、ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

 イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
また、人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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