ストレスを調節する―「習慣13」

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ストレスを調節する―「習慣13
 
体と心の健康や成長を妨げるものにストレスがあります。
しかし、ストレスと無関係に生きるのは不可能です。
人間には、だれにでもストレスがあり、もちろん、マイペースに見える私にも、ストレスはあるはずです。
 
でも、私がそれほどストレスを感じないでいられるのは、きっとうまくストレスを解消したり、調整したりする習慣が身についているからに違いありません。
 
解消法の一つとしては、心配ごとをためこまないことです。
 
どんなにものごとにこだわらずに暮らしていても、悩みごとや心配ごとの一つや二つはあります。
人間とは不思議なもので、本当はみんなで考えなくてはならない地球規模の危機などより、考えてもどうにもならない些細な問題ほど、くよくよ悩んでしまうものです。
 
私は今、五つの財団法人の理事長をやっているのですが、それぞれのところでいろいろな問題が持ちあがります。
予算のこと、人事のこと、難航する問題に頭を抱えることもたびたびです。
 
でも、それをいつまでも引きずるようなことはしません。
一つの財団から、別の財団へ移動するときに、それまでのことはいっさい忘れるようにしています。
これもオスラーの「防日区隔室」(船が進水を防ぐために、一部屋ごとに壁を設ける「防壁区隔室」にならってオスラーがつくった言葉。将来のことを思い悩まず、その日一日を、その日の仕事のために生きることを習慣化する)の考え方にならっています。
 
上手に休むことも、ストレス解消には欠かせません。
 
では、ストレスとは、いったいどんなものなのでしょう。
これについては、半世紀以上前に、カナダの生理学者、ハンス・セリエ博士が、動物実験から次のようなセオリーを打ち立てています。
 
動物に都合の良い条件を与え、それから、強い暴力や衝撃、強い寒さなどのストレスを与えます。
すると、体内のリンパ胸腺の働き方、副腎の働き方に変化があらわれ、胃潰瘍などの潰瘍ができます。
それを防御するために副腎からホルモンが分泌されるのですが、その防御態勢が充分でないと動物は死んでしまうというのです。
 
人間で言うなら、これが過労死の状態でしょう。
 
また、セリエ博士は後に、ストレスには良いストレスと良くないストレスがあることを説いていますが、これには同意見です。
 
すべてのストレスが悪であれば、いくらうまく調整しているとはいえ私がこんなに健康でいられるはずはないのです。
 
ストレスだらけの会社生活に疲れていたのか、定年後は温暖な土地で、気ままに暮らしたいと言っていた人がいました。
 
しかし実際に移り住んでみたら、ストレスはなくなったものの、毎日することもなく、生きがいさえ見いだすことができなかったようです。
残念なことに、体調を崩し、精神的にも不安定になってしまいました。
 
まったくストレスがなくても、心や体は病んでしまうのです。
「生きるのが楽しくなる 15の習慣/日野原重明 より」
 
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
 
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
 
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
 
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
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