「お大事に」という言葉の意味

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「お大事に」という言葉の意味
 
健康感を持つことが大切だといっても、それは病気に無頓着になり、放置するのとは話が違います。
 
病気が進行してしまってから、初めて病院を訪れ、「即、入院」という人が少なくありません。
そういうときには病気は進行しすぎていて、回復の可能性も低くなります。
 
これほど末期的な入院ではなくても、病気の症状がはっきりとあらわれてから入院する場合は、かなり病気が進行しているので、治療にも日数がかかり、また完全な回復が望めない場合もあります。
 
早期に治療すれば、こんな事態には陥らなかったはずです。
入院治療の前には外来診療もあるのに、なぜ、入院の段階まで病気に気づかないのでしょう。
 
理由は簡単。
ほとんどの人が自分の心や体に対して無関心だからです。
普段の自分の体調や、心の様子がわかっていない人は、病気による変化に気づくことができないのです。
また、こういう人は、健康感を持っているというよりは、自分の健康にあぐらをかいていて、健康のための良い習慣を身につけようとしていないのです。
 
アメリカのブレスロウ教授が唱えた「七つの健康習慣」は、どれも簡単なことばかりです。
やる気になりさえすれば、そのなかの大部分の実践はむずかしいことではないはずです。
少なくとも五つはだれでも実行可能でしょう。
 
「七つの健康習慣」
  喫煙をしない
  飲酒を適度にするか、まったくしない。
  定期的に激しい運動をする。
  適正体重を保つ。
  1日に78時間の睡眠をとる。
  毎日朝食をきちんととる。
  不必要な間食をしない。
 
心や体の管理は、個人個人に委ねられたものです。
ですから病院で医師や看護師が治療に専念するのと同じように、家庭では自分自身で、セルフ・ケアをしなくてはなりません。
そして、それを支えるのが良い習慣といえるでしょう。
 
大切なことは、自己が自己を守ること、自己が主体的に自己の世話をすることです。
そのような意識と、健康に対する習慣のベースがあってこそ、医療技術も生かされるというものです。
 
私は退院していく患者に、また診療を終えた外来患者に、決まってこう言葉をかけます。
 
「お大事に」
 
英語ではTake good care of yourself.となります。
自分自身を大切にケアしてください、という意味です。
 
別れ際に習慣的に繰り返すあいさつのように、だれもが気軽に使っているこの言葉の本当の意味を、もう一度はっきりつかもうではありませんか。
「生きるのが楽しくなる 15の習慣/日野原重明 より」
 
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
 
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
 
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
 
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
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