気温や気圧がうつの引き金に

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気温や気圧がうつの引き金に
 
五月病(「季節性うつ」と呼んだほうがいいと思いますが)の場合、感染症とはまったく逆の経路をたどります。
 
春になって暖かくなると、副交感神経が優位になりやすい。
 
副交感神経は血管を拡張させ、筋肉をゆるませるなど、体の機能をリラックスさせる方向に働きます。
現代人にとってとても必要なことなのですが、「何事も過ぎたるは及ばざるがごとし」なのです。
 
気温が上がり副交感神経が優位になったところで不規則な生活を続けていると、一気に気力が減退する方向に進んでしまうのです。
その結果、「五月病」に見舞われるケースが出てきます。
 
こうした自律神経と気温の関わりをふまえれば、「季節の変わり目ほど体調管理が必要になってくる」理由も見えてくるでしょう。
副交感神経が働きやすい環境下では、腸がむくんでしまうような不摂生が、うつの引き金になりやすいのです。
 
この時期、新しい環境のなかで受けたストレスに、ただでさえ腸はまいってしまいます。
体調はもちろん、感情も不安定になりますから、アルコールを飲む機会が増えるのであれば、毎日の体調管理が普段以上に大切なことがわかりますね。
 
そうした会食の前後は、食事のリズムを意識して整え、腸のむくみを最小限に乗り切るべきでしょう。
いい換えれば、大過なく過ごせる人は、そうしたコツをどこかでつかんでいるのです。
 
ちなみに、自律神経が受ける影響は、これだけではありません。
たとえば、梅雨の時期のようにじめじめした天気がずっと続くと、気持ちは落ち込み、心身のアンバランスを訴える人が増えてきます。
 
ここに関与しているのは、気温ではなく気圧でしょう。
気圧の低い梅雨時であれば、副交感神経が過度に優位な状態が続くため、五月病と同様、心が落ち込みやすくなるのです。
 
逆に雨上がりにサーッと日が差し込んでくると、滅入っていた気持が一気に開放的になり、それだけでもやる気が湧いてくるはず。
これは日差しの効用だけではなく、気圧が深く関係しているのです。
低気圧が去り、晴れ間が出てくると、交感神経が優位になり、もとのバランスを取り戻していくのです。
 
人生にも同じことがいえるはずで、いつまでも悪い状態が続くわけではありません。
 
このように自律神経は、気温や気圧のような外界の刺激に反応して、しばしばバランスを崩しますが、それは起こるべくして起こったこと。
自己管理していてもある程度の影響を受けますから、なるべく振り回されないようにすべきでしょう。
 
 いつも慌てず、淡々とマイペースに……そうした生き方のなかに、自分らしさがあるのです。
ですから、自分らしさを保つためにも腸のむくみに目を向けてください。
自律神経のアンバランスは、必ず腸のむくみとなって現われます。
 
 やはり、腸の元気を回復することが、自己管理の基本といえることがわかると思います。
「人生を決めるのは脳が1割、腸が9割! より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
また、現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。 
 
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