イライラの原因も腸にある

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イライラの原因も腸にある
 
気温や気圧にかぎらず、腸は外界の刺激に敏感に反応し、たえずストレスを感じています。
問題はそれが、食べ物の消化吸収や血流などにとどまらず、感情の起伏にまで影響を及ぼしているという点でしょう。
 
心(感情)は脳が生み出したものだと思っている人が多いかもしれませんが、心と密接に関わり合っているのは、実は腸のほうなのです。
 
「心とは何か?」というで意義の仕方はともかく、メンタルの低下を引き起こすプロセスは、頭のなかだけで起こっているものではありません。
むしろ、カギを握るのは腸だと考えてください。
生物の進化をふまえた場合、心の源流は脳ではなく腸にもあるといえるのです。
 
実際、「むくみ腸」が改善していくことで実感できるのが、感情の変化です。
ただ単に体調がよくなるだけでなく、怒りっぽかった性格が穏やかになり、短気だった人もゆったりと行動できるようになります。
 
こうしたメンタル面の変化のほうが生き方や考え方に大きな変化をもたらします。
 
外来で患者さんに話を聞いても、「むくみ腸」の人に共通しているのは、イライラしやすい、せっかち、神経質、心配性、生真面目という性格です。
「卵が先か、鶏が先か」という問題はありますが、こうした人たちは自律神経の働きがアンバランスで、ストレスに弱く、心が不安定であることがわかります。
 
同様に、努力家と呼ばれるタイプも、自分に過剰なプレッシャーを課すことで、その影響が腸のむくみとなって現われます。
 
もちろん、食事の摂り方に始まり、呼吸、生活習慣……、生き方のリズムを変え、腸のむくみが取れると、心のむくみも取れていきます。
そして、何よりも生きるのがとてもラクになって生きます。
 
そうだとすれば、メンタルが低下したからといって、慌てる必要はないことがわかるでしょう。
初めから腸と心の関係を理解しておけば、軽度のうつくらいは自分で十分に対処できるからです。
 
逆にいえば、こうした対処法がわかっていないと、むくみの悪循環が始まり、うつはどんどん悪化していきます。
「うつは心の風邪」などといいますが、風邪をこじらせ、容易に回復できなくなってしまうかもしれません。
 
気づいていない人が多いのですが、腸のむくみに目を向けず、心の病気に対処しようとするのはとても難しいことなのです。
 
問題が腸にあるならば食事からアプローチしていけますが、この視点がないと薬物に頼る割合が増えます。
下剤を飲むだけでは便秘を根本的に解消できないのと同様、メンタルの問題にも別の視点、発想の切り替えが必要なのです。
「人生を決めるのは脳が1割、腸が9割! より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
また、現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。 
 
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