腸が喜ぶ食物繊維の種類ととり入れ方

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腸が喜ぶ食物繊維の種類ととり入れ方
 
★体の内側から腸内環境を改善するプレバイオティクス
 
体の外から取り入れる有益な乳酸菌のことをプロバイオティクス(菌)といいます。
これに対し、人間の腸内に棲み、善玉菌を育てる食品成分をプレバイオティクスと呼んでいます。
どちらも体の外から取り入れますが、プロバイオティクスが菌であるのに対し、プレバイオティクスは食物繊維やオリゴ糖などの腸内で消化しにくい食品成分を指します。
 
★第6の栄養素、食物繊維の働き
 
食物繊維は、以前は「食べ物のカス」とみなされていましたが、現在は、たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルに続く「第6の栄養素」として重要視されています。
 
「糖」は「単糖類」「少糖類」「多糖類」に分類されます。
食物繊維は多糖類の仲間で、多数のブドウ糖が結合して構成されたものです。
 
「炭水化物」とは「糖質」と「食物繊維」のことで、糖質は分解されてエネルギー源になりますが、食物繊維は人間の消化酵素では分解されず、短鎖脂肪酸に変換されてエネルギー源として吸収されます。
しかし、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、便通を促す働き、つまり老廃物を体外に排泄してくれるなどの重要な役割を果たしています。
 
★水に溶ける食物繊維と溶けにくい食物繊維
 
食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維があります。
 
水溶性食物繊維は水に溶ける食物繊維で、腸内の水分に溶けて、ぬるぬるのゲル状になり、腸粘膜を保護したり、空腹感を抑制したりします。
糖の消化吸収をゆるやかにし、血糖値の急激な上昇を抑える糖尿病予防効果などがあると言われ、わかめや昆布、ふかひれ、山いも、ナメコ、オクラなど、ねばねばした食品に含まれる「コンドロイチン硫酸」、海藻類に含まれる「フコイダン」や「アルギン酸」、こんにゃくに含まれる「グルコマンナン」、トウモロコシを原料にして人工的に作られる「ポリデキストロース」などがあり、少量でも満足感を得やすいという特徴があります。
 
一方、不溶性食物繊維は、水に溶けにくく、水分を吸収して数倍~数十倍に膨らみ、腸の壁を刺激してぜん動運動を促進し、便秘を予防します。
そして、脂肪や胆汁酸、発がん性物質などを吸着することにより、肥満を改善し、腸の病気の予防に役立っています。
また、かにの甲羅やえびの殻、きのこやチーズに含まれる「キチン・キトサン」や、植物の細胞壁の主成分である「セルロース」などがありますが、これらは水分をとり込んで膨らみ、腸のぜん動運動を促し、溜まっていた便を押し出す効果があります。
不溶性食物繊維は水分を吸収する力が強いので、水分が不足すると、かえって便秘の原因になります。
不溶性食物繊維をたくさん含むものを食べるとは水分を多めにとりましょう。
 
★食物繊維はバランスが大切
 
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、両方バランスよくとることが大切です。
 
★食物繊維の多い食材
 
きのこ類
しめじ、しいたけ、えのきだけ、きくらげなど、きのこ類全般に多いのが、キチン・キトサンβ-グルカンなどの不溶性食物繊維。
なめこには水溶性食物繊維が多い。不溶性食物繊維:穀物、豆類、きのこ類、おからなど
 
キトサンには血中コレステロール値を下げる働きがある。
干したえのきだけで作ったお茶が内臓脂肪を減らすという研究もある。
 
海藻類
わかめ、昆布、めかぶ、もずくなど海藻類には、水溶性食物繊維のコンドロイチン硫酸やフコイダンが多く含まれている。
ぬるぬるした成分のもとになっている。
 
コンドロイチン硫酸には目の角膜の弾力性保持、肌のみずみずしさ、関節の円滑性を保つ働きがある。
フコイダンは肝機能向上、高血圧予防などがある。
 
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく半々ずつ含まれている。
カルシウムなどミネラルも豊富。
 
食物繊維は腸内環境をよくし、血糖値を抑制する働きがある。
ポリフェノールには抗酸化作用がある。
皮に栄養があるので、皮をむかないほうがよい。
 
玄米
精米した米に比べ、食物繊維は約9倍。
不溶性食物繊維が多いが水溶性食物繊維も含まれている。
たんぱく質、カルシウム、ビタミン、ミネラルなど他の栄養素も豊富。
 
不溶性食物繊維が腸内の善玉菌の増殖を促してくれる。
便秘の解消や有害物質の排泄などの効果もアリ。
主食でダイエット効果はうれしい。
 
あずき
100g中36gが食物繊維。
不溶性食物繊維が多く、ビタミンB1も玄米と同じくらい多い。
豆類の中では、いんげん豆に次いで食物繊維が多い。
 
不溶性食物繊維のセルロースが便秘予防、大腸がん予防などに効果的。
ビタミンB1には疲労回復、貧血、夏バテ予防などの働きがある。
 
りんご
リンゴに多いペクチンは植物の細胞と細胞をつなぐ物質で、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維、両方含んでいる。
 
血中コレステロールの再吸収を防ぎ、血糖値の急上昇を防ぐ。
1日1個のりんごは「医者いらず」と言うほど健康によい。
ペクチンには粘膜保護作用がある。
 
切り干し大根
干したことにより、栄養素は増加。
ビタミン、ミネラル、食物繊維が増える
とくにリグニンという不溶性食物繊維が多い。
 
リグニンは植物の細胞を補強する物質で、酸やアルカリにも強く、腸内でも吸収されない。
疲れた胃腸を回復し、腸の掃除をしてくれる。
 
プルーン
水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれ、鉄分が多い。
干すことで栄養素が凝縮される。
 
便秘や貧血になりやすい女性には心強い味方。
 
こんにゃく
こんにゃくいもには、グルコマンナンという水溶性食物繊維が含まれている。
黒こんにゃくのほうが白こんにゃくより食物繊維が多い。
 
食べたものを胃で包み込み、消化吸収を低下させる働きがダイエット効果を生む。
老廃物も包んで排出してくれる。
 
ココア
ポリフェノールが多いのは有名だが、実は食物繊維も豊富。
リグニいう大豆やあずき、小麦粉などに多い栄養素が含まれている。
鉄分も多い。
 
リグニンは血中コレステロールを抑え、腸内環境を整えてくれる。
 
おから
大豆食品なので、食物繊維、とくに不溶性食物繊維が豊富。
抗酸化作用を持つサポニンという成分も多い。
ダイエット食によい。
 
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれ、鉄分も多い。
むくみを取るカリウム、美肌によいビタミンE、疲労回復によいビタミンB1も多い。
 
干すことで、食物繊維や他の栄養素がパーアップされる。
「腸で酵素をつくる習慣 より」
 
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季節の変わり目は、ホルモンバランスが乱れ、疲労感が強くなり眠気やだるさを生じます。
寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
 
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
 
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB1はエネルギーの供給だけでなく、老廃物の代謝にもかかわっています。
B1だけではありません。
B2、ナイアシンなどのほとんどのビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
したがっていっしょにとるのが効果的です。
 
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として新しく注目されているホモシステインが増えるといわれています。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
ビタミンB12は、細胞の生成にとって重要な核酸(DNA)の合成やたんぱく質の合成、末梢神経(手足)、中枢神経(頭)、 認知機能に深く関わりがある栄養素です。
超高齢社会を目前とした今、元気でイキイキと年を重ねるために、ビタミンB12に注目していただきたいと思います。
 
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