悪い腸内環境が病気を招く
傷みや不快症状がないとき、わたしたちがからだを意識することはあまりありません。
しかしそんなときでも、体内ではさまざまな活動が行なわれています。
たとえば腸は入ってきた物質を判別し、からだに必要な栄養素を吸収して、老廃物や細菌・ウイルスなどの有害物を体外に排除する、生命維持に欠かせない重要なはたらきをしています。
そのため、血液中を流れる免疫細胞の多くが腸に集まり、腸の粘膜で病原菌を攻撃したり、侵入をブロックしています。
これがいわゆる免疫システムです。
免疫システムと腸内細菌は、密接に関わっています。
腸内の善玉菌は、食べ物の消化吸収を助ける一方、腸内を酸性に保って病原菌を弱らせることで、免疫力を高めるはたらきをしています。
逆に悪玉菌は、腸内をアルカリ性にして腸内を腐敗させたり、発がん物質や毒素などの有害物質をつくり、免疫力を低下させます。
からだの免疫システムが乱れると、さまざまな病気にかかりやすくなります。
●腸内に有害物質が入ってきたことによる腹痛や下痢
●細菌やウイルスによる食中毒や感染症
●免疫細胞であるヘルパーT細胞のはたらきのアンバランスによるアレルギーや自己免疫疾患
●がん細胞の増殖を抑制できないことによるがんの発症
●脳の活性化を妨げることによるアルツハイマー病
これらはかかるリスクのある病気のほんの一部。
腸内環境が悪くなり、免疫力が低下するということは、からだを守る力が弱くなるわけですから、軽い不快症状から命に関わる大病まで、あらゆる病気を招く可能性があるといっても過言ではありません。
まさに、腸内環境は、健康長寿を実現するための砦なのです。
「腸を元気にしたいなら発酵食を食べなさい より」
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各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
それぞれの栄養素のよい点を最大限に引き出すためには、多種類の栄養素をバランスよく摂取することが非常に重要です。
そのためには、食品を組み合わせて食べることが一番の早道。
ひとつの食品には多くの栄養素が含まれるので、組み合わせる食品の数を増やせば増やすほど、一度に多種類の栄養素をとることができます。
食事のバランスは効率のよい栄養素の摂取に直結しているのです。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
ただし、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある発酵食品には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
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