メラトニンの合成を積極的に増やすには

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メラトニンの合成を積極的に増やすには
 
昼夜逆転生活のツケ
 
メラトニンの合成・分泌は夜中の12時を過ぎると減少に転じるので、それまでに就寝するのが理想です。
それ以降になると、睡眠導入が次第に難しくなります。
その結果、朝の覚醒が悪く、昼夜逆転生活に移行する悪しき流れが作られてしまいます。
 
また、睡眠について誤った思い込みがあります。
睡眠時間を7~8時間きちんと確保すれば、夜でも昼でもいつ寝ても同じはずと信じています。
朝明るくなってから就寝すると、当然、メラトニンが分泌されない睡眠となります。
体を休息させる点では、睡眠時間の長さだけに意味があります。
しかし活性酸素を除去する点では、その恩恵を受けない生活を続けることになります。
老化を促進させる悪玉物質である活性酸素が、昼間の睡眠では、除去されません。
煤払いを日常的に行わない生活が長く続くと、やがて老化が進み、成人病が誘発されるおそれがあります。
活性酸素による成人病としては、アルツハイマー病やパーキンソン病などが知られています。
昼行性動物として進化してきた人間が夜行性動物のように生活し続けると、やがて病んでしまう危険が潜んでいるのです。
 
うつ病強迫性障害などで相談に来られる人たちの中に、不眠の問題を抱えているケースが多いのですが、メラトニンの合成・分泌の観点からすると、それを妨げる生活を行っている場合がほとんどです。
メラトニンの「自然」を理解して生活することによって、睡眠薬を使わずに普通に眠れるようになるケースを、多数診てきました。
 
メラトニンの合成を積極的に増やすには
 
メラトニンの合成・分泌を積極的に増やすには、メラトニンの原料を黄昏時までに十分にストックしておくことです。
メラトニンの原料は、じつはセロトニンなのです。
セロトニンメラトニン、この二つの言葉、語呂が似ていますが、実際、両者はつながりがあります。
中国の陰陽学では、陰と陽は拮抗する働きをするだけではなく、陽と陰とが相互につながっているとされています。
その学説のとおり、夜の睡眠を演出するメラトニンは、昼の覚醒を演出するセロトニンを原料に作られます。
両者はつながっているのです。
 
したがって、黄昏時になるまでに、原料であるセロトニンを十分にストックしておけば、睡眠ホルモンであるメラトニンがたくさん合成できることになります。
大豆製品・乳製品など和食でも洋食でも日常的に食べる食材の中にトリプトファンは豊富に含まれています。
したがって、偏食さえしなければ、不足しません。
 
食べ物ではなく脳内セロトニンを積極的に増やす要因は、1.太陽を浴びる生活、2.歩行リズム運動・呼吸リズム運動・咀嚼リズム運動を「集中」して「しっかり」と行う生活、この二つです。
したがって、昼間にセロトニン活性のある生活を十分に実施したかが、夜の睡眠に影響することになります。
分かりやすい例として、子供が日中、元気に外で遊んでいれば、床に就くとすぐ寝てしまうが、部屋にこもってゲーム漬けの生活をしていると、なかなか寝付けない。
この違いは、メラトニンの原料であるセロトニンが昼間、十分に作られていたか否かです。
 
夜になってからのウォーキングもセロトニン合成を促すことは間違いありません。
太陽が沈んでいるので、合成されたセロトニンは直ちにメラトニンに変換されることになります。
すなわち、夕方以降のウォーキングは自前の睡眠薬メラトニンを増やす行動なのです。
また、仕事が終わってから、アスレチッククラブで一汗かくエクササイズも同じ原理で、メラトニン合成に有効です。
 
それだけでなく、黄昏時にオキシトシンを分泌させる生活、すなわち、友人・家族との団欒や「心地よい」スキンシップのある生活は、二次的にセロトニン分泌も促進させます。
したがって、黄昏時のグルーミング行動も、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料を増やす効果となります。
「自律神経をリセットする太陽の浴び方 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
 現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12の働き
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