自前の睡眠薬メラトニン

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黄昏時にストレス解消と絆の心地よさを味わったあとには、自然な睡眠が訪れるように、私たちの身体もうまくできています。
夜の睡眠を演出するメラトニンという睡眠ホルモンの出番です。
 
メラトニンの合成は、太陽の光によって完全に制御されています。
太陽が出ている昼間には、メラトニンの合成が制御されていて、夕方、太陽が沈むとメラトニン合成が開始されます。
それに伴って血液中のメラトニン濃度が徐々に増え続け、夜中12時頃にピークとなります。
その後、次第に減少に転じ、明け方、太陽が昇ると、メラトニンは血液中から消失してしまいます。
このように、太陽光が松果体メラトニン合成を完全にコントロールしていて、その神経回路も明らかになっています。
 
 
メラトニン松果体から分泌されると、次の変化が表れます。
 
1.脳の深部体温を低下させて、覚醒から睡眠状態に移行させる。すなわち、睡眠を導入し、維持する役割を果たす。
2.自律神経のバランスが、交感神経優位の状態から副交感神経優位に切り替わる。すなわち、血圧も体温も低くなりエネルギー代謝鎮静化され、他方で消化機能が高まって、栄養摂取とエネルギー補給の働きが活発化する。
3.昼間の活発な代謝活動で発生した活性酸素を、除去する働き(抗酸化作用)が表れる活性酸素は老化を促す悪玉物質として知られているが、それを睡眠中に除去する。メラトニンアンチエイジングの物質としても注目されている
 
このような機能からメラトニンがピークになる12時までに就寝すれば、人間は睡眠にスムーズに移行し、身体も脳も休息し、昼間の活動で枯渇したエネルギーを補給し、代謝活動で発生した活性酸素(これは燃焼時に発生する煤に相当する物質)を寝ている間に除去してくれます。
すなわち身体の煤払いをしてくれます。
これが人間に備わる「自然」なのです。
 
現代のIT社会が不眠を誘発する理由
 
 ところが、現代のIT社会では、メラトニンの分泌をちゃんと発生させない生活が広まってしまいました。
現代の優れた発明品であるスマホやパソコンが、メラトニンの合成を妨げる落とし穴として潜んでいます。
具体的には、パソコンやスマホが発生するブルーライトメラトニンを破壊するのです。
 
最近の研究報告で、夕方以降に増えるはずのメラトニン濃度が、ブルーライトを浴びていると低下してしまうと指摘されています。
ということは、黄昏を過ぎて、就寝するまでは、パソコン・スマホを長時間使用しない生活がおすすめとなります。
インターネットやゲームに就寝直前まで興じる生活は、IT社会になる前に存在しませんでした。
この数十年の間に人間生活に導入された新しいライフスタイルです。
自然の睡眠物質を壊してしまう可能性が潜んでいることを認識すべきでしょう。
 
とはいっても、現代生活にパソコンやスマホは不可欠であり、今後ますます活用される社会になるはずです。
この優れた道具でケガを負わないためには、メラトニンが自然に合成・分泌される生活を、黄昏時にきちんと確保することです。
黄昏時から就寝するまでの時間帯には、スマホやパソコンを長時間使用しない生活を実践することです。
その代わり、朝から夕方までは、この優れた道具を十二分に活用した生活をエンジョイすればよい。
すなわち、朝から夕方まではデジタル三昧の生活、そして、黄昏時から就寝まではアナログ生活に徹すること、これがIT社会を元気に生き抜く生活術といえるでしょう。
優れた道具でケガを負わずに、上手に使いこなすワザといえるでしょう。
「自律神経をリセットする太陽の浴び方 より」
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最近、電車の中でキレる人を見かけます。
少し前までは、電車の中で暴れるのは酔っぱらいか、普段から暴力的な人と相場が決まっていました。
でも、最近は違ってきています。
しかも、普段はおとなしく、礼儀正しい人なのに、ついカッとしてキレてしまったという人がとても多いのです。
受けたストレスをコントロールすることができず、感情を爆発させ、普段では決してしないような行動をとってしまう、これがいわゆる「キレる」という状態です。
この「キレる」という行為、原因を簡単に言うと、「ストレス」です。
これはまさに「セロトニン神経」の機能低下が原因だと考えています。
 
セロトニンは脳に静かな覚醒をもたらします。
これは別の言い方をすれば「平常心」をもたらすということでもあります。
平常心を保つというのは、脳の切り換えがスムーズに行われ、どこも暴走も興奮もしていない状態のまま、スムーズに働いているということです。
セロトニン神経の機能が低下すると、感情や精神状態を普段の冷静な状態にキープすることが難しくなることは充分に推測できます。
そしてこのことは、キレる人が朝の満員電車よりも、夜の帰宅時に多いということからも証明されます。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
 
ビタミンB12の働き
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