古くて新しい栄養素「ビタミンB群」の可能性
ビタミンB群は、ストレスや飲酒、糖質のとりすぎなどで大量に消費されてしまいます。
そして今、ビタミンB群は、古くて新しい栄養素として再び注目されています。
水溶性のビタミンでおもに補酵素として働くため、かつては少量で十分と思われていた栄養素の代表でした。
ビタミンBが、「B群」としてとらなくてはならないといわれている1つの理由は、人間のエネルギーをつくり出すTCA回路(クエン酸回路)を回す重要な役割があるからです。
そして最近になって、ビタミンB群は脂質の酸化を防止している(脂質の抗酸化作用)ということもわかってきました。
抗酸化作用とは、炎症が起こったときに働く活性酸素に対抗する作用のことです。
今まで脂質の抗酸化については、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンの働きが主ではないかと考えられていたのですが、なんと水溶性ビタミンであるビタミンB群も脂質の酸化を防いでいたのです。
しかも興味深いのは、時間の経過によって酸化の反応が違うことです。
そして2週間めは停滞状態で、3週間めになって脂質の酸化を抑制しはじめるのです。
つまり、最初は酸化を促進して、後半は酸化を抑制している。
そしてB12は、1~2週間めは酸化の抑制作用がないが、3週目になると急に酸化を抑制しはじめる。
さらにB6は、初期から酸化を抑制している。
このように、ビタミンBの種類によって脂質の酸化を防ぐ段階が違い、少しずつ時間をずらしながら、相互に協力し合っていることがわかってきたのです。
酸化とは、いってみれば体内をサビつかせることであり、老化の原因といわれています。
しかし、酸化そのものは人体にとって必要なことなのです。
もちろん、酸化が続いてしまうのはよくないことであるのは間違いありません。
ただ、急性期は酸化をさせないといけないこともあります。
それがこの反応なのです。
まさに、人体の神秘、神の御業というしかありません。
さらに、ビタミンB1、B6は、抗酸化だけではなく、同時に「抗糖化」、つまり糖化を抑制する作用がある物質としても注目されています。
難治性の統合失調症の患者さんの約25%に、ひどく糖化が進んでいる人たちがいることがわかっており、同時にその人たちの血中ビタミンB6の数値が極めて低いことがわかっています。
そこで今、通常の統合失調症の治療で、ビタミンB6を補充するということがトライアルとしてなされています。
このようにビタミンB群は、脂質代謝を改善する作用があるのと同時に、糖化抑制作用もあわせ持っています。
今後の抗酸化アプローチにおいて、中心的存在の栄養素となる可能性が期待されています。
「「うつ」は食べ物が原因だった! より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
ビタミンB12について?
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