「名前が出なくなった」を防ぐ

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「名前が出なくなった」を防ぐ
 
困って始まった脳内の異常興奮は疲労となって全脳に広がる
 
脳内に名前を覚える専門の細胞群がなくても、現在では、顔と名前は同格であり、当然のように両者は同時に記憶されます。
文字も言葉も厳存する現代でも、顔と名前は同格であり、記憶のコースは多少違っても、同格に記憶され同格に扱われます。
だから、顔を思い出せれば、名前も思い出すことが、当たり前の現象になっています。
ところが、同格で同時に記憶されるべき名前が出てこないとなると、脳内は大騒ぎになります。
まず「顔を覚える脳細胞」が、「どうして思い出せないのか」と責め立てられます。
しかし名前と顔は同格で同時に記憶されるとは、研究者や学者が推定しただけの話で、脳内のシステムとしては、推定外の結果を生み出します。
まず「顔を覚える脳細胞」が責められる。
「顔を覚える脳細胞」は困るし慌てます。
その結果、異常興奮が始まる。
何ごとにせよ、「異常」は困りものです。
異常興奮を起こした「顔を覚える脳細胞」は、努力すれども結果が出ない。
徒労に終わって、残るのは疲労だけとなります。
度重なれば、疲労は全脳に広がる。
こうした名前忘却性の疲労は、大疲労になる。
疲労しきった脳には、その後に起きるマイナスの事柄に抵抗する力も失い、やがて認知症の領域に入ることになります。
たかが名前忘れ。
これを軽く見た結果が認知症とは、なんたる不幸。
だが、不幸を嘆く前に、名前忘れを防ぐべきなのです。
 
「名前が出なくなった」を防ぐ
 
記憶とは、どうにもあやふやなものです。
京大の実験では、笑顔と笑顔でない写真の、どちらが記憶に残りやすいかを調査しました。
結果は、笑顔の方が13%も多く記憶に残ったといいます。
にっこり笑っただけで、記憶が変わる。
記憶とは実にあやふやなものなのですね。
人間の脳内には、他人と同じことをする、まねをするというミラー現象があり、その一種としての「共感」という作用があります。
人の笑顔を見ると自分も楽しくなる、悲しい顔を見ると自分も悲しくなるという現象です。
中でも、「楽しい」の感情が動くと、脳内ではドーパミンというハッピーホルモンが出るので、覚えやすい記憶となって、より残りやすくなるともいわれています。
名前と顔の記憶には、付帯条件が必要になります。
人間の記憶システムは芋づる方式です。
お芋のつるをたどっていけば、目的の記憶に到達します。
芋づるを省略して、目的の記憶にストレートに到着することは非常に難しく、不可能なケースもあります。
現象は一部の学者間では、30年位前から研究が開始されています。
付帯条件とは、芋づるの中に、しっかりとした手がかりを作っておくことです。
ただの「Aさん」と記憶するより、「△△会社のAさん」という付帯条件をつけてみます。
すると「△△会社」が芋づるの手がかりになって、目的のAさんに容易に到達するわけです。
付帯条件は、語呂合わせでもだじゃれでも、何でもOKです。
ちょっとした遊び心も、名前忘れ防止の一案です。
「人の名前が出てこなくなったときに読む本 より」
 
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
 
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
なお、レシチンアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
アルツハイマー認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
ビタミンB12について?
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