「自分はボケたのか」との不安・恐怖が増したとき

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「自分はボケたのか」との不安・恐怖が増したとき
 
神経細胞のネットワークの網の目が崩れつつある
 
TOT現象は一部の学者間では、30年位前から研究が開始されています。
TOTとは「Tip of the tongue」という心理学用語で、意味は「舌先現象」。
分かりやすく言えば、「喉まで出かかっているのに思い出せない」現象であり、そのじれったさ、歯がゆさ、もどかしさが、主な研究対象になっています。
 
中高齢者では、将来的な問題、健康問題、経済問題、人間関係などで、いろいろな不安やストレスが全身を駆けめぐります。
そして中高年は記憶力低下が目立つ年頃でもあるのです。
「昨日どころか、直前のことも思い出せない。オレの頭はどうなっているのか、このまま何もわからなくなるのだろうか」などの不安やストレスがチラチラと現れます。
このとき、脳内でも、大きな変化が起こり始めているのです。
神経細胞のネットワークの網の目が、一本消え二本消えて、全体が崩れつつある。
その結果、正常な判断が困難になり、いらざる不安やストレスが横行しやすくなってしまいます。
そのストレスがまた、脳神経細胞のネットワークの網の目を減らすのです。
たとえば認知症特有症状の「振り返り現象」も、認知症の三大もの忘れのひとつである「同じ話や質問を繰り返す」も、不安やストレスからのがれて安心感を得ようとする試みとも考えられます。
 
「自分はボケたのか」との不安・恐怖が増したとき
 
 ここまでストレスや不安感に責め立てられている最中に、追い打ちをかけるように名前忘れが襲いかかる。
「ああ、誰だっけ、名前が思い出せない。出かかっているのに、出てこない、思い出せない」の焦りは進んで、「オレはボケたのではないか」の不安に変わります。
さらに名前忘れがつづけば「きっと、ボケたんだ」と決めつけることにもなるでしょう。
まさにストレスの恐怖、名前忘れの恐怖ですね。
 
ストレス、不安が増すと、交感神経が過度に興奮します。
その結果、血管が細くなり、血液の脳循環量が減る。
脳循環は栄養の補給路です。
栄養補給を絶たれた脳神経細胞は空腹のあまり、記憶力、判断力はより低下し、認知症への抵抗力も弱まります。
最悪病である認知症も、単に名前が思い出せないという、じれったさ、歯がゆさ、もどかしさから始まるとも言い得るのです。
「人の名前が出てこなくなったときに読む本 より」
 
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
 
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
なお、レシチンアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
アルツハイマー認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
ビタミンB12について?
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