認知症
第6章 食べる順番を工夫する 数年前、「食べ順ダイエット」という方法がメディアで話題になりました。 これは食事量を大きく減らさず、食べる順番を変えることによって減量する方法です。 その手軽さから、ちょっとしたブームになったのです。 具体的には、…
第6章 カロリー制限でいくか、糖質制限でいくか 糖質制限は、19世紀から糖尿病の改善やダイエットのために実施されてきた長い歴史があります。 20世紀になって見直されるようになり、日本でも近年ではブームともいえるほど急速に認知度が高まりました。 糖質…
第6章 「カロリー制限」か「糖質制限」を続ける 血糖値の基準から外れたり、食後高血糖や血糖値スパイラルが疑われたりしたら、血糖値を基準値の範囲内に収めるように「血糖コントロール」をしましょう。 血糖コントロールをするには、大きく分けて2つの食事…
第6章 「糖尿病性認知症」を血糖コントロールで防ぐ 糖尿病の3大合併症は、キノコになぞらえて「しめじ」と呼ばれます。 いずれも、毛細血管のような細い血管が、「高血糖」「血糖値スパイク」のダメージを受けて発症するので、「極小血管障害」とも呼ばれま…
第6章 脳を守るために血糖値を下げる方法 糖尿病が認知症を起こすしくみ 血糖値を正常範囲に収める血糖コントロールができないと、「脳血管性認知症」にかかりやすくなります。 おそらく動脈硬化を介した認知症の発症だと考えられます。 また、糖尿病だと、…
第5章 深呼吸する 血圧も血流も、私たちはいちいち意識してコントロールしていません。 生きるために必要不可欠な機能は、たとえ寝ている間でも、無意識のうちにコントロールされています。 それを担っているのが、「自律神経」です。 これまで何度か触れま…
第5章 上手に減塩するための6つのポイント 「塩分を減らしたほうがいいことはわかった。でも、どうやって減らせばいいの?」と思われることでしょう。 そこで、具体的な減塩のポイントを6つ紹介します。 1.インスタント食品、加工食品をできるだけ控える イ…
第5章 脳を守るために血圧を下げる方法 肥満を避ける 家庭でいつ測っても正常血圧よりも高いなら、打つ手は2つあります。 1つは、肥満気味なら減量すること。 もう1つは、塩分過多の自覚があるなら、減塩すること。 肥満も塩分過多も、高血圧を招くからです…
第4章 糖尿病ではなく「高血糖症」と呼ぶべき 「高血圧=血圧が高くなる病気」ですが「糖尿病=尿に糖が出る病気ではありません」。 糖尿病は進むと尿にも糖が出るようになりますが、糖尿病の本質は、血糖値が高くなりすぎて、下がりにくくなることです。 認…
第4章 糖尿病だと認知症の発症リスクが倍増 糖尿病と認知症の関わりについて見てみましょう。 糖尿病と動脈硬化・認知症との関連を語る前に、まずは「糖質」「血糖」「血糖値」について正しく理解しておく必要があります。 糖質は、脳の神経細胞をはじめ、全…
第4章 高血圧だと認知症リスクが10倍以上! まずは、高血圧と認知症の関わりについて見てみましょう。 久山町研究では、1988年に検診を受診した認知症のない65~79歳の住民668人を、血圧レベルで4つに分類して17年間追跡調査。 「脳血管性認知症」と「アルツ…
第4章 「高血圧」と「糖尿病」は大きな認知症リスク 脳は血管とともに老いる 生涯現役医師を貫いて105歳で亡くなった日野原重明先生も影響を受けたというウィリアム・オスラーという著名なアメリカの内科医は、「ヒトは血管とともに老いる」という名言を残し…
第3章 動物との触れ合いでストレスやうつ状態を緩和 犬などの愛玩動物との触れ合いが、認知症患者さんのストレスやうつ状態の緩和に役立つことがあります。 これは古代ローマ時代から兵士のリハビリに使われてきた長い歴史がある「アニマル・セラピー」と呼…
第3章 卵はコレステロールを怖がらずに食べていい 5大たんぱく源のなかでも、いちばん手軽に食べられるのは、卵でしょう。 生卵・ゆで卵・目玉焼き・オムレツ・温泉卵と、いろいろな食べ方ができるうえに、飽きません。 私も毎朝、目玉焼きを食べるのが、長…
第3章 5大たんぱく源をとって認知症を防ぐ 認知症を予防するには、「気力」が必要です。 気力といっても、気合で認知症を予防するという話ではありません。 気力とは、何かを成し遂げようとする精神的なパワーのこと。 血液循環をよくするために、座りっ放し…
第3章 恐ろしい歯周病の兆候をとらえる 歯を失う理由は、スバリ「歯周病」と「虫歯」(う蝕)です。 2018年に全国2345の歯科医院で行われた「第2回永久歯の抜歯原因調査」では、その割合は歯周病が約37.1%で、虫歯が約29.2%。 この2つで全体の3分の2を占めてい…
第3章 歯を20本以上残せば転倒しにくくもなる 前述の山本先生らの研究グループの業績から、興味深い研究をもう1つ紹介しましょう。 この研究では、歯と義歯の状況と「転倒リスク」の関係を調べています。 高齢者が転倒で骨折をして長期の入院を強いられると…
第3章 歯を20本以上残せば認知症リスクは下がる 歯の本数も、認知症と深く関わります。 歯を失うと噛むことができなくなり、そしゃくに必要なあごの筋力も落ちてしまいます。 成人の歯は、全部で28~32本。 80歳になっても20本以上の自分の歯を残そうという…
第3章 6つのポイントで快眠して認知症リスクを下げる(ポイント4~6) どうしたら睡眠障害を防いで、認知症リスクを下げられるのでしょうか? 6つのポイント(ポイント4~6)を順番にお伝えしましょう。 4.夕方以降は強い光をできるだけ浴びない 日が落ちて暗く…
第3章 6つのポイントで快眠して認知症リスクを下げる(ポイント1~3) どうしたら睡眠障害を防いで、認知症リスクを下げられるのでしょうか? 6つのポイント(ポイント1~3)を順番にお伝えしましょう。 1.朝起きる時刻を決めて、起きたら朝日を浴びる 「三本の…
第3章 寝る子は育つ、寝る高齢者は認知症になりにくい 昔から「寝る子は育つ」といわれます。 寝ている間に分泌される「成長ホルモン」が、子どもの成長を助けてくれるからです。 質の高い眠りが求められるのは、子どもだけではありません。 大人も日中アク…
第3章 難聴で認知症のリスクが高まる 加齢などによる難聴(聴力低下)があるなら、早めに対策を施したほうがいいです。 老眼になって近くのものが見えにくくなったら、老眼鏡をかけるのをためらわないのに、耳が遠くなっても、見た目を気にして補聴器を使うの…
第3章 運動が難しいなら浴槽入浴で体温を上げる 認知症を防ぐために、低体温をどう避けたらいいのでしょうか? 体温をつくり出しているのは、主に「筋肉」です。 筋肉は運動やミルキング・アクションだけで活躍しているわけではないのです。 じっとしている…
第3章 認知症を遠ざける小さな習慣 低体温による免疫力の低下を防ぐ コロナ禍で、以前より「体温」への関心度が高まりました。 体温が37.5度以上になると、ウイルス感染による発熱と解釈される場面が多くなったからです。 実際のところ、平熱は人それぞれで…
第2章 「できない」ことを叱らず、「できる」ことを褒める 教育の世界では、「子どもは褒めて伸ばせ」とよくいわれます。 褒められたら誰でも嬉しいので、それが成功体験となって前向きになり、「できない」ことが、どんどん「できる」ようになる効果がある…
第2章 “オレオレ詐欺”の被害防止に一役 離れて暮らす高齢のご両親への電話による“聞診”で、親御さんの声から健康状態や認知機能がどうなっているかを推し量ることができます。 メールやLINEで「元気だよ」と返信をくれたとしても、実際に声を聞くと力なく「…
第2章 離れて暮らす家族と電話で言葉のやりとり 高齢のご両親と暮らしている、みなさんにお願いです。 どうぞ1日1回、連絡してあげてください。 親御さんが1人暮らしならなおさら必要な気配りです。 そこで生まれた会話が孤独を癒し、離れて暮らす高齢者の脳…
第2章 思い出す作業で脳の「代償性」を高める 認知症患者さんへの毎朝のボランティア電話では、あらかじめ決めた毎月の合言葉を答えてもらったり、助け舟を出しながら日付を答えてもらったりしています。 バカバカしいと思われるかもしれませんが、思い出す…
第2章 認知機能は一度衰えたらとり戻せない 私は毎朝、認知症の患者さんに電話しています。 それは完全なボランティア活動です。 認知症の進行に休日はありませんから、土日も祝日も欠かさず行っています。 数年前、入院した際も個室に入れましたから、入院…
第2章 思い出す作業を根気強く諦めないで 部分的なもの忘れを自覚して、認知症を自分ごととして身近に感じるようになると、ヒトは考え方によって2つのタイプに大きく分かれます。 1つは、放っておくと将来、認知症になる恐れがあることに気づくと、「私はこ…