予防食としては一にも二にもエネルギー取り入れ

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予防食としては一にも二にもエネルギー取り入れ
食べたいものを、たくさん食べること
 
食事予防法のプラスアルファは二つです。
 
第一は偏食。
第二は会話です。
 
主食を減らし副食を増やす食事に付いては、前にお話しました。
でも肝心ことが抜けていました。
 
我々は食べなくては生きていかれません。
食べること、すなわち生きることです。
にもかかわらず、「高齢者はロクな仕事をしていない。消費エネルギーも少ない。だから粗食でよいのだ」とい、「老人粗食健康法」も現れています。
 
とんでもない誤りです。
 
老人あろうと、食べること、すなわち生きることです。
健康に生きることは、健康に食べることです。
 
さらに高齢者は、「老化」という大仕事を背負わされています。
同時に、認知症や記憶力低下とも戦う必要があります。
また、フレイル(老衰)とかサルコニア(老人性筋肉の衰え)なとども戦います。
 
いずれにしても、老化との戦いは大仕事なのです。
 
そして忘れてはならないのが、エネルギーの問題です。
戦いには膨大なエネルギーが必要です。
 
老化も記憶力低下も大敵中の大敵です。
こんな大敵を前にして、エネルギー極貧の粗食で戦うとは、幼稚園生とプロレスラーとの戦いになり、戦う前から敗戦は明らかです。
老化は大敵です。
粗食で勝てる相手ではありません。
 
認知症予防食としては一にも二にも、エネルギーの取り入れです。
そのためにも、「食欲不振」は最悪の状態です。
 
ところが高齢者には、予期せぬ低栄養状態がしばしば起こります。
理由もなしに突然食欲が低下する。
空腹もない。
食べようとの意欲もない。
もちろん頑張れない。
 
これらの三つの「ない」が現れれば、老人性低栄養は目の前です。
 
低栄養になれば、食欲も気力も失せて、認知症のなすがままの状態になります。
 
高齢者の低栄養をよく見ると、不思議なことに、「食べる習慣」を忘れたようにも見えます。
「食べる習慣」を忘れては、食欲も出ません。
 
こうした極貧状態を救うものは、食べたいものだけを、たくさん食べることです。
栄養のバランスも考えない。
偏食大歓迎で、好きな食品を食べます。
そうしているうちに、「食べる習慣」を思い出して、正常の食事に戻れます。
 
認知症予防も名前忘れ予防も戦いです。
戦いには勝利しなくてはならない。
その勝利をもたらすものこそ、「食べる」によるエネルギーです。
 
もっと分かりやすく言えば、「高齢者には山海の珍味」でしょう。
ご馳走をたくさん食べて、認知症も名前忘れも討ち滅ぼしましょう。
「人の名前が出てこなくなったときに読む本 より」
 
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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
 
脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。
 
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
 
レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
 
また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
 
ビタミンB12について?
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