おめでたい“赤色料理”

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おめでたい“赤色料理”

古くから日本では、「赤」は吉祥の色であり、同時に病気や悪霊除けの色でした。

さまざまな長寿の祝いを総称して「賀寿」といいますが、最初に迎えるのが満60歳(数えで61歳)の「還暦」。ご存知のように赤い頭巾や赤のちゃんちゃんこを身につけてお祝いします。ここでの「赤色」は、さらにもっともっと長生きできますようにという意味と厄除けのためです。

人生80年の現代とは違い、昔は60歳はやはり長寿であり、おめでたいことだったのです。そして、エビかタイ、あるいは両方用いられた祝い膳が並び、小豆の入ったおこわが盛られます。

赤はハレの日の料理の色であり、祝いごとや祭り日、行事などのある日には必ず赤い食材で作られた料理が用意されたのです。

その代表格が「エビ・タイ・小豆」の3点セット。賀寿の祝いは、70歳の「古稀」、77歳の「喜寿」、80歳の「傘寿」、86歳の「米寿」、90歳の「卒寿」、99歳の「白寿」と続きます。そして、それぞれのお祝い膳には必ず赤い料理がつくのです。

「エビ・タイ・小豆」の赤い色素。これらの天然の色素には強い抗酸化作用があり、老化を促進させ、病気の原因ともなる活性酸素という酸素毒を消去する力がたいへんに強いのです。エビとタイの赤はアスタキサンチンであり、小豆の場合はアントシアニンで、いずれも抗酸化力にすぐれています。つまり、おめでたい赤い料理は不老長寿食だったのです。
                                              「長寿食365日 より」

元気でイキイキと年を重ねるために!
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