暮らし方ひとつで老化が進んだり抑えられたりする
前出の男性の話には続きがあります。
近所をウォーキングするようになったら、自分より一回りは上かなと思う男性とときどき出会い、言葉を交わすようになりました。
年齢を聞いてみたらなんと85歳だそうです。
ひと回りよりもっと上だったのです。
でもその老人は、のんびりですが足取りも軽く楽しそうに歩いています。
「毎日、どれくらい歩くんですか」と聞くと、「もう歳だからムリできませんね」と言いながらも笑顔で「一万歩」と答えたそうです。
それを聞いてこの男性は「すごい」と感心したのですが、一万歩というのがどれくらいの距離なのかピンと来ません。
「まあ、ゆっくりですから2時間くらいかな」とその老人が教えてくれます。
「ふむ。わたしも歩数計を持ってみるか」
さっそく、この男性も歩数計を買ってウォーキングしてみました。
実際に歩数をカウントしながら歩いてみると、すぐに気がついたそうです。
「一万歩なんて、会社勤めのころは毎日、軽く歩いていたんだ」
同じ距離をいま歩けば「いい運動だな」と思うのに、つい一か月前まではそれをとくに運動とも思わずに続けていたことになるのです。
そこでこの男性が思い出したことがあります。
自分の父親です。
子どものころ、たしか父親は会社まで自転車で通っていました。
自分の通勤よりはるかに長い距離を職場まで自転車で往復していたのです。
その父親も定年を迎えると、ほとんど外に出かけることもなく家で過ごすようになりました。
自分が結婚して家族で夏に帰省すると、そのたびに父親はガクンと老け込んで見えます。
当時は気にもしませんでしたが、「あのころ親父はいくつだったんだ」と考えて、少しドキッとしたそうです。
「まだ60歳だったんだ」
孫の相手を楽しそうにしてくれたのですが、しわだらけの顔で足腰もずいぶん弱っていたことは覚えています。
ウォーキングで知り合った85歳の老人のほうが、まだ若々しい印象なのです。
つくづく、「自分も気をつけなくちゃ」と思ったそうです。
「脳のため光を浴びよう肉を食べよう より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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