定年はこころの老いを加速させるきっかけにもなる
こころの老いにも触れましょう。
脳の老化はまず意欲の低下から始まります。
といってもここがすでにやっかいなのです。
認知症でしたら、もの忘れへの不安とか、自分のやっていることへの覚束なさを感じるときがあります。
配偶者や家族が「ちょっと心配だな」と気がついてくれることもあります。
あるいはいまの時代、さまざまなチェックシートが医療機関や自治体の窓口に用意されていますから、「一度、診てもらおうかな」と訪ねることもできます。
それから一般的なケースで言えば、認知症のリスクが高まるのは80代に入ってからです。
本人も周囲も、それくらいの年齢になれば「そろそろボケてもおかしくないな」と思い始めます。
ある意味では、こころの準備ができるのです。
しかも、誤解を恐れずに言ってしまえば、認知症というのは、なってしまえば本人はそれほど苦しむことはありません。
80代後半になって発症する認知症は、高齢に伴う脳の自然な老化現象ということができるからです。
けれども意欲の低下は違います。
それを放置することで、うつ病のリスクがどんどん高まります。
しかもこちらは認知症と違って、年齢との相関関係はありません。
若い人でも中年でも、そして高齢者でもうつ病のリスクはいつもあります。
ただ、高齢者のうつ病が怖いのは環境要因として誰にでも起こり得るということ、そしてその症状が、本人はもちろん、身近な家族にさえ気づかれないままに進んでいくケースが多いということです。
環境要因は想像できると思います。
とくに男性の場合は、定年を迎えたとたんそれまでの交友関係が途絶えたり、遠のいたりします。
張り合いとか生きがいも薄れてきます。
何よりも薄れてくるのが、日々の高揚感です。
一日が漫然と流れてしまう暮らし方を続けていると、感情が揺り動かされることもなくなりますから、うつ状態が静かに進んでいくことになってしまいます。
「脳のため光を浴びよう肉を食べよう より」
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老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、タンパク(アミロイドβタンパク)と核酸(DNA)の生合成を司っています。
アルツハイマー型認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若返りにもつながることにもなります。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステインや活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に大切な栄養素です。
ビタミンB12は、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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