「荷おろしうつ」を悪化させないために

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「荷おろしうつ」を悪化させないために

 

「妻がここのところ、何をするにも覇気がなくて心配なんです。やっと自分の時間がとれるようになったのに、家の中でゴロゴロ横になってばかりで。どうしたものでしょう」

 

そんな相談を知人から持ちかけられたことがあります。

 

聞くところによると、病気がちで世話を焼いていた実母が他界し、同時期に、ひとり息子の受験が終わったというのです。

 

受験も介護も、彼女にとっては大きなプレッシャーだったに違いありません。

だからこそ、はたで見ていた夫からすれば、やっといろんなことから解放されて自由にできるんだから、元気になって自分の好きなことを思い切りやるはず、落ち込むなんて考えられないという感覚なのかもしれません。

 

しかし、彼女の場合、自分を必要としてくれていた親や子どもから解放されたことでほっとすると同時に、「自分は誰からも求められていないのではないか」「自分の存在価値が見えない」といった気持ちになってしまった可能性もあります。

 

人は、打ち込んでいた何かを失った時、たとえば、家族との死別や離婚など、慣れ親しんだ対象を失った悲しみと同時に、1人では立ち直れないほど落ち込んでしまうことが珍しくありません。

 

そのつらさをどうやって緩和するか、乗り越えるかは、「対象喪失」といって、精神分析の大きな研究領域になっています。

それだけ、「必要とされている」「自分の役目」を失うことは心に痛手を与えるのです。

 

このケースは、ちょうどホルモンバランスの崩れる更年期と重なってしまったため、症状が強く出たのかもしれません。

 

さらに、毎日外出もせず家の中でゴロゴロしていたら、頭も体も使わないわけですから、放っておくとさまざまな機能が低下してしまいます。

もちろん、感情も老化するため、さらにやる気が失われ、坂道を転がるようにつまらない人生へと転落してしまう危険性があります。

 

そこで専門家を訪ねるようにアドバイスしました。

 

はじめのうちは、「病院にかかるほどのことではない」としり込みをしていたようでしたが、その後、めまいやホットフラッシュ(のぼせや発汗の症状)といった、更年期障害の症状がひどくなったため、病院でホルモン補充治療を行なったところ、徐々に症状が改善されたそうです。

 

仕事をしていない女性の場合、気分や体調がすぐれなくても、「少し休んで様子を見よう」として家に引きこもり、さらに症状を悪化させることもあります。

 

また、ホルモン補充治療に対して情報が少ない分、「そこまでしなくても」と及び腰になるケースも多いのです。

しかし、足りなくなったものを足すことで症状が改善されるのなら、こんなに簡単なことはありません。

 

もっと気楽な気持ちで、医師に相談してほしいものです。

「感情の老化を防ぐ本 より」

 

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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

ビタミンB12について?

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