自分のためではなく、誰かのために何かをする
「何を大切にして生きたいか」を考え、
自分のやるべきことを見極められれば、
日々の生活の中に、
具体的な喜びや楽しみが生まれます。
「人生を棒に振るつもりで生きたらいい」と話すと、切羽詰った口調でこう聞かれることがあります。
「その、棒に振るというのは、どうすればいいんでしょうか!?」
「何もしないということでしょうね」と答えたいところですが、人は何もしないではいられません。
それに、「まったく無責任な坊さんだ」と言われかねないので、こう答えます。
「自分のためではなく、特定の誰かのために何かをすることですね」と。
話が飛躍しましたが、言いたいのはこういうことです。
人は、人生になんらかの意味を感じないと生きられません。
そして、人間の最大の欲求が「誰かに認められたい」ということです。
では、人から認められるにはどうすればいいか。
それは、「自分のなすべきこと」をなすことです。
自分のやりたいことではなく、「やるべきだ」と信じていることです。
簡単に言えば、「何を大切にして生きたいか」を考えて、それをやることです。
誰を大切にしたいのか。
何を大切にしたいのか。
この2つについて考えるだけです。
自分のためでなく「誰かのために」「何かのため」になすべきことをする。
将来は変わっても構わない。
少なくとも「今」、自分がやるべきことは何かを考えるのです。
このことを「自分のテーマを決めて生きる」と言っています。
「なすべきことをやったほうが得だ」と言っているわけではありません。
まったく別の話です。
自分の損得や感情を、まず外すこと。
「得したい」「ラクしたい」という感情を脇において、今何が自分に起きているかを見て、「べき」を考えるのです。
それを見極めるとき、「得したい」「ラクしたい」は、大きなバイアスになります。
ひとつ手本だと考えるのは、職人の生き方です。
大工さん、農家や庭師、豆腐屋さんやお寿司屋さん、事務職あるいは技術職の人、どんな職業でもいい。
「職人」「職人技」と認められるほどの腕があり、仕事で評価されている人たちは、「やるべきこと」が決まっていて、それを最優先に生きています。
すると、人に対して見栄やてらいがほとんどありません。
自分自身が評価されなくても、“自分の仕事”が評価されればいいからです。
彼らは、それ以上の満足も承認も必要としていません。
「仕事が認められること」が「自分が認められること」なので、結果的に自分自身に対する執着が消えてしまうわけです。
彼らの関心は、いいものができるかどうか、満足のいく仕事ができるかどうかだけに向けられています。
そして、「今日もよく働いた」と晩酌をしてくつろぎ、一日を終える。
日々の生活の中に具体的な喜びや楽しみがある。
うらやましい生き方です。
自分の「べき」をはっきり見られるようになれば、「~したい」に振りまわされることはありません。
他人から見てどう思われるかと、いちいち顔色をうかがうこともありません。
また、「~したい」ではなく、「~するべき」というところから何かをやれば、必ずそれを認める人が出てきます。
といっても、それが大げさなことである必要はまったくありません。
自分の中に「やるべきだ」という確信があり、人にその理由を説明できること。
つまり、何を選択するにしろ、「なすべきこと」とは欲望ではなく、価値なのです。
ただし、自分の乏しい脳力と限られた時間の中で、何が狙えるのかをシビアに考えないと意味がないでしょう。
「あれも、これも」は、まず無理だと理解することから始めてください。
ただ、それもすべて幻想だと考えます。
しかし、人には幻想が要るのです。
自分がどの幻想を選んで生きるのかを決めることが、「べき」を決めることです。
そして、「べき」が幻想だとわかったうえで、結果を期待したり見返りを求めたりせず、思いどおりにならなくとも仕方がないというスタンスでやらなければいけないのです。
それを覚悟でやるのが「生きる」ことです。
自分が選んだ「べき」が、しょせんは幻想だとわかっていれば、力む必要もないでしょう。
たまたま生まれてきた「自分」です。
「人生を棒に振ってもいい」と思って取り組むぐらいで、ちょうどいいのです。
「禅僧が教える心がラクになる生き方 より」
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新しい生活パターンへの対応、とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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