すべての免疫は「樹状細胞」が握っている

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すべての免疫は「樹状細胞」が握っている

 

では、自然免疫と獲得免疫、双方の免疫細胞を活性化させて相乗効果を高めるにはどうすればいいのでしょうか。

 

それを可能にするためには、司令官役の免疫細胞の存在に注目しなければなりません。

 

この司令官は外敵となる病原体が体内に入りこんだ際、自然免疫と獲得免疫に指令を出してコントロールするという、重要な役割を担っています。

自然免疫や獲得免疫が十分に効率よく作用するためには、この司令官による指令がスムーズに機能することが絶対条件で、この司令官役の免疫細胞こそ最も重要な存在なのです。

 

私たちの健康を左右する、その司令官役の免疫細胞は「樹状細胞」と呼ばれています

 

これまで免疫の働きやメカニズムを語るとき、多くの研究者はマクロファージやNK細胞など自然免疫の細胞に焦点を当てており、樹状細胞に注目して免疫が語られることはほとんどありませんでした。

 

樹状細胞とは、枝のような突起(樹状突起)を持つ免疫細胞のひとつです。

 

風邪のウイルスやがん細胞など攻撃すべき相手が現れたとき、樹状突起を伸ばして、いちばん効率よく闘ってくれるのがこの細胞であり、そのほかの免疫細胞にさまざまな指示を出しているのも樹状細胞です。

この細胞が「がんに対する免疫システムの司令塔」として非常に重要な働きを担っていることがわかってきました。

 

樹状細胞は数ある免疫細胞のなかでも、特にほかの免疫細胞に外敵を教える能力(=抗原提示能力)が優れているという特徴を持っているため、獲得免疫が効率よく働くかどうかはこの細胞が機能しているかどうかにかかっています

 

つまり、獲得免疫はこの司令官の指示がなければ働けないということです。

 

樹状細胞は自然免疫だけで外敵を退治しきれないときに、自然免疫から獲得免疫への橋渡しをします。

自らもウイルスを食べて封じこめつつ、警報を鳴らして獲得免疫を一斉喚起して攻略法をばらまき、最終的に第一部隊(自然免疫)も第二部隊(獲得免疫)もコントロールしていく。

いうなれば、樹状細胞にはすべての免疫細胞を総動員させる力があるということです

 

この樹状細胞の働きがあるからこそ、先制攻撃を担う第一部隊と、より強力な敵を倒す第二部隊が相互作用し、最大限の効力を発揮できるのです。

 

まさに、この「樹状細胞」こそが免疫システムの司令塔の役割を果たす「ボス細胞」だといえるでしょう

さらに獲得免疫を教育して敵を記憶させることができるという点も、このボス細胞のすばらしいところです

 

そんな樹状細胞の特徴をわかりやすく理解していただくためにも、ここでは樹状細胞のことを「ボス細胞」と呼びたいと思います。

 

獲得免疫の学校である胸腺は20歳を過ぎるとなくなってしまいます。

外敵の情報を学びそのデータを蓄積するT細胞はつくられているのですが、学校自体がないので、そこで教育を受けて闘い方を学ぶことはできません。

 

けれども、その闘い方を知らないT細胞にもポテンシャルは残っています。

これらの細胞になくなってしまった学校の代わりに闘い方を教えるのが、抗原を自ら取りこんで教えることができるボス細胞なのです。

ボス細胞は学校の役割も果たしているのです

 

このボス細胞が獲得免疫を強化して活性化することで、獲得免疫が戦闘態勢になれば、今度は彼らが自然免疫を活性化させるさまざまな伝達物質を出すので自然免疫も活性化します。

 

つまり、有能なボス細胞がいれば、すべての免疫細胞の士気が上がり、免疫システム全体の能力を高めることも可能なのです

 

ボス細胞を鍛えて、優秀な司令官に育てることができればおのずと、

 

1.「自然免疫」の機能低下を防ぐことで、無数の抗原から身を守る

2.「獲得免疫」の機能を向上させることで、各抗原に適した能力を身につける

 

このふたつのポイントも達成することができるのです。

 

まさに「老化防止」と「健康促進」を同時にかなえてくれる、そんな夢のような細胞です。

「免疫力をあなどるな! より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。

また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

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