本来の脳のパワーを取り戻すためのハウツー(22-24)
22.旅をするなら、手づくりの旅をする
旅行が好きで、休みがとれたときには、よくひとりで東南アジア方面などに向かいます。
そして、その際はスマホの電源をオフにするようにしています。
まあ、海外へ旅に出たときくらいは仕事のことを忘れていたいという気持ちもあり、「日本における日常」を意識的に遮断するようにしているのです。
また、旅に出るときは、旅行会社におまかせのパッケージ・ツアーではなく、自分で計画して宿や乗り物を手配するようにしています。
なぜなら、そういう「手づくりの旅」をしていると、計画通りに物事を遂行する「遂行実行機能」や、旅先でハプニングが起きたときにすみやかに対応する「柔軟性の脳機能」など、幅広い脳領域がたいへん効果的に刺激されることになるからです。
「脳過労」や「スマホ脳」の人には、こうした力が落ちている人が少なくありません。
ですから、休みがとれたときには思い切って旅に出て、脳に新鮮な刺激を注いでみるといいのではないでしょうか。
23.「頭を使って相手と駆け引きをするスポーツ」をする
ゴルフ、社交ダンス、テニス、草野球、バレーボール、卓球……。
こうしたスポーツには脳を活性化させる効果があるとされています。
これらの共通項は、「相手と駆け引きをするスポーツ」「競技性のあるスポーツ」であるという点。
すなわち、相手や仲間と技術の優劣や勝ち負けを競い、さかんに頭を使って駆け引きをするようなスポーツが脳にいいとされているのです。
また、こうしたスポーツにおいては、「人とのつながり」がとても大事です。
相手や仲間との関係性を維持しながら、一緒にスポーツを楽しんでいこうという社交姿勢が求められることになります。
その点で言えば、気の合う仲間と一緒にパーティーを組んで、登山やハイキングをするのもいいと思います。
「スマホ認知症」や「脳過労」になる人は、日頃の仕事の忙しさにかまけてすっかり運動不足になっている人が目立ちます。
思い当たる方は、こうした「脳にプラスの作用のあるスポーツ」を行なって、気持ちよく汗を流してみてはどうでしょう。
24.昼寝は積極的にする
脳の疲れを回復させるには「昼寝」も有効です。
昼寝はアメリカのビジネスシーンでは「パワー・ナップ」と呼ばれていて脳の疲れを短時間で回復させることができるメソッドとして注目を集めているそうです。
また、認知症の権威の朝田隆先生が行なった研究では、「昼寝を習慣にしている人は認知症になりにくい」という報告も出ています。
ただし、昼寝の時間は「30分以内」が原則です。
それ以上寝てしまうと、夜の睡眠に影響することもあるので注意してください。
昼寝での「寝すぎ」を防ぐには、昼寝前にコーヒーを飲むようにするといいでしょう。
そうすれば、20~30分後にカフェインが効いてきて、ちょうどいい頃合いにすっと起きることができるはずです。
とりわけ、「スマホ認知症」や「脳過労」で睡眠が足りていない方や日中に眠気がある方は積極的に昼寝をするといいでしょう。
昼寝で脳をすっきりと回復させれば、午後の時間帯のもの忘れやミスを防ぐことにもつながるはずです。
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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