本来の脳のパワーを取り戻すためのハウツー(25-27)
25.思いっきり笑い、思いっきり泣く
「スマホ認知症」や「脳過労」の人には、感情コントロールがうまくできなくなるケースが少なくありません。
前頭前野の感情抑制機能が落ちているために、感情の起伏がやたらに激しくなったり、逆に感情の起伏がほとんどなくなってきたりするのです。
突然怒り出したり、理由もないのに涙を流したりすることもあります。
こうした症状は、「笑う」「泣く」などの感情アウトプットの力が衰えているために起こります。
そして、こうしたアウトプットの力を落とさないようにするには、たまには思いっきり笑ったり、思いっきり泣いたりすることも大切です。
それに、大笑いしたり大泣きしたりする行為は、脳内のストレスホルモンを減少させ、脳にたまった疲労を解消することにもつながるのです。
たとえば、お笑い番組を観て大笑いをしたり、悲しい映画のDVDを観て大泣きをしたりするのもOKです。
「これなら笑える」「これを観ればいつでも泣ける」といった自分なりの「爆笑アイテム」「号泣アイテム」を用意しておくのもいいかもしれません。
26.一日の最後に数行の「行動日記」をつける
もの忘れ外来に来院する患者さんに「行動日記」をつけることをすすめています。
日記といっても簡単なもの。
「その日の出来事」や「とくに感じたこと」、「体調の変化」などを2~3行でまとめるのです。
たとえば、仕事でミスをした日は「イージーミス! 大反省!」だけでもいいし、プレゼンがうまくいった日は「プレゼン大成功! 最高の気分!」だけでもいい。
このように一日を振り返って、「今日の自分の一番のポイント」を手書きで記録するのです。
これを習慣にしていると、ぼんやりと自分を振り返るため、脳のデフォルトモード・ネットワークが活性化することになります。
また、続けていると、次第に自分の好不調のパターンが分かってきて、自分がどんなときに調子が悪くどんなときに調子がいいのかがつかめてきます。
じつは、脳が疲れている人は、このように自分のコンディションを客観的に把握することがとても大切で、「行動日記」による気づきが不調やスランプを脱出するきっかけになることもあるのです。
ですから、ぜひトライしてみてください。
27.四季折々の行事や旬の食べ物を大切にする
私たちの脳と体は季節の移り変わりに合わせて微妙に変化しています。
春夏秋冬の季節に合わせ、体温や血圧、血流、自律神経などが少しずつ変わっているのです。
ところが、近年はエアコンのきいた室内で過ごすことが多くなり、四季を肌で感じる機会がめっきり少なくなってきました。
そして、そのために脳や体の調子が四季の変化についていけなくなっている傾向があるのです。
とりわけ「スマホ認知症」「脳過労」などで脳が疲弊している人には、その傾向が強く見られます。
ですから、こうした方は、脳と体のリズムを狂わせないように、意識して四季の変化を感じ取るようにしていくといいでしょう。
たとえば、春はお花見、夏は花火、秋は紅葉狩り、冬は餅つきといった具合に、季節の行事やレジャーはできるだけ大切にしたいものです。
また、四季折々の旬の食材を料理したり味わったりする機会も大事にしてください。
ぜひ、こうした「あたりまえの生活」を大切にしつつ、毎日の暮らしの中で季節の声に耳を傾けるようにしていきましょう。
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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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