【心得10】脳細胞を修復する時間「睡眠」のとり方を変える
最後の「心得」は睡眠についてです。
脳の機能を健康に維持していきたいなら、絶対に睡眠をおろそかにしてはいけません。
夜、眠っているときの脳内では、疲労物質を代謝したり脳細胞を修復したりといったさまざまなメンテナンス作業が行なわれています。
また、最近の研究では、認知症の原因物質であるアミロイド・βを除去する作業が夜寝ている間に進められていることも分かっています。
もし毎日のように睡眠不足を続けていたら、これらの夜間作業が滞ってしまうのは明らかです。
脳はどんどん疲れをため込んで機能を落としていくことになるでしょう。
そんな日々を続けていたら、脳の老化が早く進んでしまい、認知症リスクを高めることにもつながりかねません。
だから、毎晩ぐっすり眠ることが大切です。
どんなに仕事が忙しくとも、どんなにやりたいことがあったとしても、睡眠を犠牲にしてはいけません。
自分の脳の働きを健やかにキープしていたいなら、「何があろうと睡眠を最優先する」というくらいの姿勢が必要なのです。
しかしながら、「スマホ認知症」の人は、ほぼ100%の人が睡眠にトラブルを抱えています。
そして、「スマホ認知症」の人でいちばん問題となる行動は、夜遅くまでだらだらとスマホやパソコンをやっていたり、ふとんにもぐり込んでいつまでもスマホをやっていたりする習慣です。
いつまでもだらだらやって夜更かしをしていれば、睡眠時間が短くなるのは当たり前です。
それに、夜間にスマホやパソコンをやっていると、ディスプレイから放たれる強い光が睡眠物質のメラトニンを減少させてしまうことになります。
このメラトニン分泌の減少が、「なかなか寝つけない」「眠りが浅い」「寝ても途中で目が覚めてしまう」といった不調につながっているわけです。
ですから、睡眠をこじらせて「スマホ認知症」や「脳過労」になりたくないのであれば、せめて次の3つを必ず守るようにしてください。
1.夜、「寝ながらスマホ」はやらない
2.就寝1時間前は、スマホ、パソコン、タブレットを使用しない
3.朝起きたら、太陽の光を浴びる
簡単に説明すると、1と2のルールを実践していれば、夜の「だらだらスマホ」「だらだらパソコン」の時間をなくすことができ、短くなっていた睡眠時間を取り戻すことができます。
それに、1と2を守るだけでも、ディスプレイの光によるメラトニン減少をかなりの程度食い止められるようになります。
また、3は、寝つきをよくして睡眠リズムを整えるためのもっとも手っ取り早い手段です。
朝、太陽の光を全身に浴びると、セロトニンの分泌が促されるのですが、メラトニンはこのセロトニンを元にして合成されることになります。
さらに、太陽の光を浴びてからおよそ15時間後にメラトニンが分泌され、自然なタイミングで眠りを促すようになるのです。
だから、毎朝決まった時間に太陽の光を浴びていれば、夜、いつも決まった時間に眠くなり、スムーズに寝つけるようになっていくわけです。
実際、もの忘れ外来にいらっしゃる「スマホ認知症」や「脳過労」の患者さんは、この3つのルールを守ることでかなりの方が睡眠トラブルを改善することに成功しています。
なかには、長年引きずってきた睡眠の不調が消え、毎晩ぐっすり眠れるようになったという方もいらっしゃいます。
ぜひ、トライしてみるといいでしょう。
ぐっすり眠ることほど、脳によく効くクスリはないのです。
よく眠れるようになれば、脳の疲れもとれ、低下していた機能も次第に回復していくはずです。
もちろん、もの忘れやミスなどの“症状”も減っていくでしょう。
ですから、何を差し置いても睡眠を最優先にして、その“クスリ”の効果を十分に引き出していくようにしてください。
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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