ATP(アデノシン3リン酸)が不足してくると認知症を呼び寄せる
そして、そうした血管の老化を引き起こしている大きな要因として、老化とともに発生してくるATPの産生能力の低下があると考えています。
■ミトコンドリアでつくられるエネルギー源
ATPこと「アデノシン3リン酸」は、私たちの細胞が機能するための直接的なエネルギー源となっている物質です。
ATPは塩基と糖が結合したアデノシンに3つのリン酸が結合した形をしており、多くはエネルギーを内蔵できる化学構造をしています。
筋肉や内臓、あるいは脳や血管などの全身の細胞では、この化学構造の結合を解き、そのときに開放されるエネルギーを使って、あらゆる生命活動を担う「代謝」を行っているわけです。
しかし通常は、加齢とともに体内に存在するこれらの補酵素は少なくなります。
そのため、食事で材料は十分に補給できていても、ATPの産生量が少なくなってエネルギー不足となりやすいのです。
また、血管に限らずその他の臓器や脳そのものへも、ATPの不足は大きなダメージを与えます。
脳は、全身の臓器が使うエネルギーの総量のうち、およそ20%をもまとめて使ってしまう大食らいの臓器です。
そのため高齢になってエネルギー不足が慢性化してくると、次第に脳へのダメージが蓄積していきます。
■ビタミンやミネラルの補給でアンチエイジング
こうしたATPの産生能力の低下と、それに伴う全身の細胞の機能低下こそが「老化」の正体である、と考えることもできるでしょう。
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それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6、葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には広く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
ただし、おもしろいことに、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある保存食には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
これは、発酵の過程でビタミンB12が作られるためと考えられます。
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
ビタミンB12が効果的に作用するには、ビタミンB12単体ではなく葉酸など他のビタミンB群と一緒に摂取することが望ましく、また、ビタミンB群はバランスよく摂ることで相乗効果を発揮します。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
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