第2章 失敗の可能性のあることもやってみる
自らの考えも、好奇心も、「実行」「実験」なくしては、
前頭葉にとっては何の意味も持たない。
「未知の失敗が織り込み済み」の
実験に挑戦し続けることが「脳の若さ」を保つ秘訣
「脳の若さ」を保つには、自分の考えとその考えを実行することをセットにすることが大切ですが、何にせよ興味を持ったらすぐに具体的「行動」に移すべし、です。
面倒くさがって何もしないようでは、前頭葉の老化が進んでしまいます。
自分の好奇心に従って行動するときには、「実験的精神」が必要になりますが、この実験は「失敗」が伴うものでなければ、これもまた意味がありません。
学校の理科室で行う実験ではあらかじめ「結果」がわかっていることがほとんどですが、本来実験とは、「未知の物への挑戦」であり、「失敗」の可能性が織り込まれたものです。
逆にいえば、失敗する可能性のないものは実験とはいえません。
その失敗を恐れず、自分の好奇心のままに思い切って行動してこその実験精神です。
そんな実験的精神こそが前頭葉を刺激し、働かせるのです。
さらに「失敗」は、予測できるものもなかにはありますが、「想定外」の失敗であればあるほど、前頭葉には大歓迎です。
想定外の事態に直面して、「さあ、どうするか」と考えることで一層、前頭葉がフル稼働します。
積極的に「未知の失敗が織り込み済み」の実験に挑戦し続けることが、脳の若さを維持する秘訣といえます。
「50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」 より」
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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。
しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。
このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。
これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。
ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。
新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。
この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。
しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。
このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。
ビタミンB12について?