第3章 「そうだったのか思考」より「そうかもしれない思考」
「そうだ」「そうだったのか」と納得してしまうのはやめて、
「いや、こうかもしれない」「ああかもしれない」と
「そうかもしれない思考」の習慣をつけると、
アイデアや思考の幅が広がるというメリットも
確実に老化を進行させてしまう、人の意見や発言にすんなり「そうだ」「そうだったのか」と納得する「そうだったのか思考」から脱却すべく、「ツッコミ」を入れようにも、それが即座には出てこない場合もあると思います。
それに、「1+1は2だ」と言われて、「いや、それは3だ」とは言いにくいでしょう。
そんなときに役立つのが、「そうかもしれない思考」です。
「1+1は2である」に対して、「1+1が2とはならない場合もあるかもしれない」「場合によっては1+1が4くらいになることもあるかもしれない」なら言えるでしょう。
また例えば「年内には日経平均株価が2万8000円台にまで高騰する」と証券アナリストが言うなら、「そんなことはあり得ない」と言下に否定するのではなく、「せいぜい2万6000円台かもしれない」「むしろ下落して2万円を割るかもしれない」……と、「かもしれない」だと、ひとつに限らずいくらでもアイデアを出せるというメリットもあります。
そうです。
「そうかもしれない思考」は思考の幅を広げるのにも有効なのです。
たくさんのアイデアを出すこともまた、前頭葉のよいトレーニングになります。
お墨付きに頼らない
「誰それがこう言っていた」という枕詞に頼るのは、
前頭葉の機能低下や思考の老化している証
思考がストップし、曖昧さに対して
安心感を求めるようになっているのです
何か意見を述べるときに、「かの○○もこう言っています」といちいち枕詞をつけなければ気が済まない人がいます。
この場合○○は決まって、誰もが知っている有名人であったり、その筋の権威であったりで、少なくとも無名の人や自分自身であることはまずありません。
こういう人は、前頭葉の機能低下、思考の老化が進んでいるとみていいでしょう。
また、「かの○○も言っています」とか「文献に書いてあります」という冠がつかなければ、どうも信憑性にかける、信用ができないと思ったり無視したりする人も同様です。
若い頃からそうなってしまう人もいますが、一般的には歳をとればとるほど、有名人などの権威を笠に着る「権威主義」や、「この人の言うことだから」というだけで、内容に関係なくその是非を判断する「属人主義」に陥りやすい傾向にあります。
権威主義や属人主義に陥るとますます「思考」がストップしてしまい、新しい思考、発想ができなくなり、基本的に「ひとつの課題に対してひとつの答え」や安易な「決めつけ」に走りがちになります。
こうなると坂を転がり落ちるようにして思考の老化が進んでしまいます。
「権威主義」「属人主義」は早期発見、症状に気づいたら早めの手当が肝要です。
「50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」 より」
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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
また、老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?