認知症の予防とは

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認知症の予防とは

 

年を取るにつれて誰もが心配するのは、脳の老化によって物覚えが悪くなったり物忘れが酷くなること、そして認知症でしょう。

 

認知症について講演したとき、診断、治療、予防のどの話を聞きたいか、集まったみなさんの拍手の多さで決めたことがあります。

診断に対する拍手はまばら、治療はやや多く、予防について聞きたいという拍手が大多数でした。

 

認知症は病気ではなく、正常な老化作用が極端化されたものだという説があります。

アクセラレイテッド・エイジング(accelerated aging=促進老化)という考え方です。

病気と正常な老化をどこで線引きするかは難しいですが、高齢になるほど認知症が増えるのは動かせない現実です。

 

 

研究が進んだ結果、認知症を完全に予防したり治したりすることはまだできないものの、認知症になる前の段階についてはいろいろとわかってきました。

そのキーワードが、アミロイドβです。

 

繰り返しますが、今の段階では、睡眠の質を高めたり歯周病を治したりして、アミロイドβが溜まらないようにすることが、アルツハイマー病による認知症の最適な予防です

 

 

進行を遅らせる三次予防については、すでに薬があります。

しかしそれは、認知症になってしまったあとの話。

アミロイドβが溜まっても病的な量まで増やさない次世代の治療薬が開発されれば、アルツハイマー病の進行を食い止めたり、発症を防いだりすることができます。

 

 

そして我々の将来的な目標は、認知症にならない一次予防です。

 

認知症を予防することは、脳の老化を防止し、何歳になっても健康な状態を維持することと同じです

身体と血管の老化、神経の老化、社会的な存在としてのメンタルの老化を、少しでも防ぐことです

一次予防はまだ不可能ですが、発症のリスクを下げたり、発症を遅らせたりすることは確実にできます

 

認知症の特徴として、症状が進むほど自分の状態の理解が不十分になるので、治療に真摯に取り組む意志を維持できなくなることがあります。

その意味でも、早めの予防が欠かせません。

 

※一次予防…アミロイドβが溜まらないようにする

 二次予防・三次予防…発症と進行を遅らせる

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

 

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

また、老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

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