第3章 ほめられたら、素直に喜ぶ
ほめられてもなかなか素直になれないのは、
前頭葉の機能低下で感情が老化しているから。
ものごとを悪いほうにばかり受け止める
「習慣」「くせ」をあらためよう
人からほめられても、いつも「ふん、心にもないお世辞を言って……」と思うようなら、それは、感情が老化している証拠です。
子供でもあるまいし、いい歳したオトナなら、相手がお世辞で言っているのか、心の底からほめてくれているのかくらいは、わかるはずです。
それをいつも否定してかかるのは、前頭葉の機能が衰えて判断力が鈍り、感情が衰えて躍動しにくくなっているためです。
こういう人は、どんなことも悪いほうに、悪いほうに、受け止めます。
その結果ますます心が澱み、感情の老化に拍車がかかるばかりです。
考え方も偏り、フレキシブルな思考ができなくなってしまいます。
しかし、ものごとをどう受け取るかは、ある意味「習慣」「くせ」のようなもので、意識的にこれを変えることは、難しくはあっても不可能ではありません。
ほめられたら、ウソでもいいから素直に喜んでみる。
それを続けるのも一法です。
ものごとは続けていくうちに、「習慣」になります。
「素直になる」、その新しい習慣が、いずれ心の澱みも取り払ってくれるはずです。
「うまくいかないとき」はすっぱりあきらめ、リセットする
何をやっても、うまくいかない――
そんなときは、すっぱりあきらめ、
パッと切り替えて、別のことを始める
「リセット」の習慣をつけることが大切
何をやってもうなくいかない。
楽しめない。
気分がふさいで落ち込んでしまう。
しかもそこからなかなか抜け出せず、ますます落ち込み、身動きがとれなくなる。
――これらは中高年になり前頭葉が老化し始めると多く見られる傾向です。
こういうときには、何をどうしても、悪い方向に進むだけ。
ここでいったんリセットでもしない限り、いつまでたっても状況はよくなりません。
何をやってもうまくいかないときは、すっぱりあきらめ、頭と気持ちを切り替え、別のことを始める。
自分の新しい挑戦にブレーキをかけて未来の可能性をつぶしてしまわないよう、上手にリセットする――そんな習慣をつけておくことです。
このときに、下手に反省などしてはいけません。
うまくいかないときに反省をすると、自分のアラばかり見えてきて、ますます落ち込むだけです。
頭と気持ちの切り替え方は、人それぞれ。
美味しいものを食べに行く、好きな音楽を聴く、散歩や買い物に出かける……等々、自分なりの「リセット法」を決めておきます。
そしてリセットしたら、必ず、新しいことに挑戦します。
「リセット」は、「脳の若さ」へのターニングポイントになります。
「50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」 より」
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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
また、老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?