第3章 他人の決めつけには「ツッコミ」を入れる

第3章 他人の決めつけには「ツッコミ」を入れる

 

人の言うことに簡単に納得するのではなく、

まず「疑問」を持つことが大切。

さらに、「違う」なら何がどう違うのか、

自分の言葉で表現する(ツッコミを入れる)

 

テレビのワイドショー番組では、1人の出演者が「こうだ」と言えば、他の出演者も皆口をそろえて「そうだ、そうだ」と言います。

そんな番組を観ている視聴者の反応はどうかといえば、やはりその「こうだ。そうだ」に流されるままに終わってしまうのです。

 

これでは前頭葉の萎縮が進むばかり、ワイドショー番組に限らず、「これはこうだ」と決めつけでモノ言う人には、すかさず「ツッコミ」を入れる――これが実に、前頭葉にはよいトレーニングになるのです。

 

「ツッコミ」を入れるには、人の言うことをそのまま受け流したり、うのみにしたりするのではなく、「それは本当か」とまず考えることになります――ここで前頭葉の出番です。

 

ちゃんと考えて、「それは違うぞ」となったとき、単にテレビに向かって「そりゃ違うだろ!」と叫ぶだけでもまあいいのですが、ここはもう少し頑張ってみましょう。

「なぜ、どう違うのか」「本当のところはどうなのか」を、自分の言葉で論理立てて表現してみます――これはまさしく「出力」です。

ここで前頭葉はフル稼働態勢になります。

 

「ツッコミ」は反論するのが目的なのではなく、要は意識して考えること。

心のなかででも疑問を持つ、問いを投げかける。

そのことが重要なのです。

 

 

定説・常識・伝統はまず疑う

 

歳をとればとるほど保守的になり、思考が老化する。

これを防ぐためにも、

定説や常識、伝統を「疑う」クセをつけておくとよい。

「疑う力」は、「変化対応力」の基本的な嗜好習慣でもある

 

日本人の多くは「疑う力」が弱い。

たいてい「疑う」ことに否定的なところがあり、疑い深い人は「猜疑心(さいぎしん)が強い」と敬遠されてしまいます。

 

だからでしょうか、「定説」や「常識」、また「伝統」といわれているものを素直に信じやすく、それに則る(のっとる)ことを美徳とする傾向にあります。

 

歳をとればとるほど、こうした傾向は強くなり、保守的になるものですが、ここであえて、定説や常識、伝統に対して「懐疑的(かいぎてき)になる」ことが、老化防止にもお勧めです。

 

そして実際に疑ったことを調べて見ると、意外や意外、常識が実は常識ではなかったり、長年の歴史的伝統だと思っていたことが実はかなり新しいしきたりであったりすることが「発見」されることもあります。

 

例えば、常識・伝統とされている、新天皇の即位のときだけ元号を改める「一世一元の制」は意外に新しく明治以後に決められた制度ですし、万世一系天皇制にも女帝が在位した時代もあり、「常識」も実は時代の流れのなかで変遷を重ねていることがわかります。

 

こうしてみるとあらためて「変化対応力」が重要だということがわかります。

それゆえ、思考の柔軟性、前頭葉の若さを保つためにも「疑う力」は欠かせないのです。

「50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」 より」

 

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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

 

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

また、老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/