第4章 「体育会系の運動」より「好きなことのために動き回る」

第4章 「体育会系の運動」より「好きなことのために動き回る」

 

体にいいことは脳にもいい。

とはいっても、無理やり体を鍛える必要はなし。

「好きなことのために、動き回る」

これがいちばん、脳をいきいきと若返らせる“運動”になる

 

いつまでも心身若くありたいと、スポーツジムに通ったり、ジョギングや水泳をしたりと、スポーツやトレーニングに励んでいる方も少なくないでしょう。

しかし、体を鍛えたからといって「脳の若さ」を維持できるかどうかというと、そうでもありません。

 

往年のスポーツ選手にも認知症やボケになってしまう人がいます。

また一方で、昔から運動嫌い、運動音痴でスポーツには無縁という人で、80、90代になってもかくしゃくとしている人は、いくらでもいます。

 

 

確かに体にいいことは脳にもいいことですし、筋肉の刺激は脊髄から脳幹を通って大脳辺縁系に伝わり、それが新皮質に刺激を与えて脳が元気になる――という理屈もありますが、これは筋肉が鍛えられるから脳が鍛えられるということではありません。

「動くこと」そのものが脳の刺激となって伝わり、脳を活性化するということです。

 

 

そうであれば何もスポーツでなくてもいいわけで、買い物に行く、人と食事をするために出かける、コンサートに行く、趣味のサークルに参加する……などなど「好きなことをするために」動き回っていれば、それだけでも脳には快適な刺激となります。

やりたくもない運動を嫌々続けているより、脳はよほどいきいきとしてきます。

 

 

「ウォーキング」より「のんびりお散歩」

 

「歩くこと」は、足腰を鍛えるだけでなく、

心肺機能や代謝機能を高めるなど、

体の老化を防ぐ効果も。

「散歩」にはさらに、「脳の若さ」を保つ効用も……

 

体の老化は足腰から始まります。

ですから、普段から足腰を鍛えておくことはとても大切なことで、「歩くこと」はそのいちばん基本的なトレーニングといえます。

 

歩くことで、足腰だけでなく心肺機能も高まり、汗をかいて水分補給をすることで代謝機能も高まるほか、適度な運動なので食欲も高まります。

 

そんなことで「ウォーキング」も一時期ブームになりましたが、ひたすら歩くウォーキングより、「のんびりお散歩」のほうをむしろお勧めします。

ひとつには続けやすいということもありますが、脳にとってさらなるメリットがあるからです。

 

散歩道にある街路樹や公園には、様々な草木や花々もあり、四季折々の変化を楽しんだり、日一日のなかにも小さな変化があることを発見できるかもしれません。

また、のんびり考え事をしながら歩いているうちに素晴らしいアイデアが浮かんでくるかもしれません。

 

時にはちょっとしゃれた喫茶店や新規開店したレストランを見つけて一休みしたり新しい「味」に出会ったり、あるいは本屋さんに立ち寄って新しい本を探してみたり……などなど。

 

このように散歩道には変化と想像の場があふれています。

このような環境で脳は快感に満たされ、リフレッシュでき、活性化されるのです。

 

「50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

 

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。

また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/