セロトニン不足の生活ではストレスに弱くなる
セロトニン不足の生活ではストレスに弱くなる
家にひきこもっていても、何とか生活を維持できているのは、デジタル技術のおかげです。
家にいながらにして、仕事、買い物、情報収集、友人とのやりとり、そして遊びに至るまで、手元にあるパソコンやスマホでできるようになりました。
それで、すべてができるのですから、すばらしい発明であることは間違いありません。
しかし、その便利さが諸刃の剣となり、セロトニン神経を弱らせる原因となっています。
そして、セロトニンがきちんと出ない生活を続けていることが、イライラを引きずったり、睡眠の質を低下させたりといった状況を生み出す理由にもなっています。
かといって、デジタル機器なしでは仕事も生活もできないことは明らかです。
重要なことは、パソコンやスマホとのつきあい方を学ぶことです。
これが、現代人にとってストレスフリーに生きるための急務といってよいでしょう。
私たちは、朝起きてから夜ベッドに入るまで……、いやベッドに入ってからもスマホをいじる生活にどっぷりとつかってしまいました。
これは、大昔から生きてきた人間の営みからすると、とんでもないことなのです。
昔の人間は、太陽が出ると外に出て体を動かし、狩りをしたり畑を耕したりしていました。
汗水たらして、体を動かして、太陽も浴びるというのは、セロトニン神経が自然に活性化される暮らしです。
そういう生活の中で、人間は1万年以上も生きてきたのです。
そんな暮らしが、つい20年ほど前まで続いていました。
ところが今は、机の前に座りっぱなしで何でもできるようになりました。
太陽の光を浴びず、体もほとんど動かさない。
それでも仕事がきちんと成り立ち、お金が入るという便利な社会ができ上がりました。
コロナ以前は外出や通勤が気分転換や運動になる面もありましたが、コロナ禍ではそれもできなくなってしまいました。
それでは、セロトニン神経を活性化するいとまがありません。
ストレスはただたまる一方になってしまったのです。
ストレスが加われば、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが副腎皮質から分泌されることはよく知られています。
同時に、セロトニン神経が抑制されてしまうこともわかっています。
つまり、ストレスが加わることでセロトニン神経が弱り、結果としてストレスに押しつぶされやすくなってしまうわけです。
「脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。
私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。
このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。
ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアでATPが十分につくれなくなる。
ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。
ビタミンB12について?