セロトニンとオキシトシンはつながっていた!

セロトニンオキシトシンはつながっていた!

 

セロトニン神経を活性化する3番目の要因は、人と人とのスキンシップです。

なぜ、スキンシップをすることで心の復元力が高まり、「ストレスフリーな脳」に変わるのか、不思議に思われるかもしれません。

 

実は、これには「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンがかかわっています。

 

では、そのオキシトシンがどのような刺激によって分泌されるかというと、それは心地よく触ること、つまりスキンシップなのです。

そうすれば年齢や性別に関係なく、オキシトシン合成細胞が刺激されることがわかりました。

 

では、オキシトシンの分泌に効果的なのはどのようなものなのでしょうか。

いろいろな方法で実験してきた結果、人と人とが軽く触れ合うことがもっとも効果的であることがわかってきました。

いわれるまでもなく、小さな子どもが親に抱かれたり、恋人同士が手を握ったりすることで、人間は安心感や愛情を感じて心が穏やかになることはおわかりでしょう。

 

つまり、家族やパートナーとのスキンシップ、さらにいえばペットとの触れ合いは、あまり難しいことを考えるまでもなく、オキシトシンを分泌させる行動なのです。

 

 

では、「愛情ホルモン」であったオキシトシンは、どのような効用をもたらすのでしょうか。

ここで話がセロトニンに戻ります。

 

実は、オキシトシンには、セロトニンの働きを支援する作用があったのです。

 

そのヒントになるのは、オキシトシン合成細胞がある場所です。

オキシトシンを分泌するのは、脳内にある視床下部の室傍核という場所です。

この室傍核には、ストレス中枢の神経とオキシトシン合成細胞が隣り合わせにあることがわかっていますが、それは偶然ではありませんでした。

オキシトシンが分泌されることで、その隣にあるストレス中枢の興奮を鎮めていたのです。

 

ストレスが加わると、視床下部にあるストレス中枢が働き、副腎皮質からストレスホルモンであるコルチゾールを分泌するように指令が出ます。

このとき分泌されるコルチゾールの量が適度であればいいのですが、現代のようなストレス社会では往々にして過剰に分泌されがちで、そうなると自律神経のバランスを崩したり、血圧や血糖値が上がりすぎてしまうという結果をもたらします。

 

ところが、このストレス中枢の隣に位置するオキシトシン合成細胞が活性化すると、ストレス中枢の興奮を鎮める働きがあることがわかったのです。

 

セロトニン神経がストレスに弱いということはすでに述べた通りです。

ストレス中枢に刺激が与えられると、セロトニン神経のインパルスの頻度が減ってしまい、放出されるセロトニンの量も減ってしまうためです。

 

しかし、スキンシップによってオキシトシンが十分に分泌されれば、ストレス中枢の興奮が鎮まりますので、結果的にセロトニンの分泌量が減らずにすむというわけです。

 

もう1つ、オキシトシンによるセロトニン支援機能があります。

それはセロトニン神経がオキシトシン受容体を備えているために、脳内でオキシトシンの分泌が増えると、自然にセロトニン神経も活性化されてセロトニンの分泌を促進するという効果です。

 

つまり、オキシトシンは「ストレス中枢の興奮を鎮めることでセロトニン分泌量を増やす」「セロトニン神経を活性化する」という二重の効果によって、セロトニンの働きを助けるのです。

 

そしたがって、年齢・性別に限らず、スキンシップによってたっぷりとオキシトシンを分泌させれば、自然とセロトニン神経が鍛えられ、「ストレスフリーな脳」をつくることができるのです。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。

コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。

役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。

これが、正常なストレス反応の流れです。

 

ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。

こうなると、状況が一変します。

コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。

まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。

 

副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。

ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。

そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。

その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。

 

また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。

私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。

このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。

ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアATPが十分につくれなくなる。

ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/