第4章 糖尿病ではなく「高血糖症」と呼ぶべき

第4章 糖尿病ではなく「高血糖症」と呼ぶべき

 

「高血圧=血圧が高くなる病気」ですが「糖尿病=尿に糖が出る病気ではありません」。

 

糖尿病は進むと尿にも糖が出るようになりますが、糖尿病の本質は、血糖値が高くなりすぎて、下がりにくくなることです。

 

認知症は本来、「認知機能不全症」といい換えるべきだと思っていますが、同じように糖尿病は「高血糖病」といい換えるべきでしょう

 

日本人の糖尿病の95%以上は、食事や運動といった生活習慣の乱れによって起こるもので、これを「2型糖尿病」といいます。

 

2型があるということは、1型もあります(3型以降はありません)。

1型糖尿病」は、生活習慣ではなく、遺伝的な体質やウイルス感染によるものです。

 

1型糖尿病の発症を避けることはできませんが、糖尿病の95%以上占める2型糖尿病は生活習慣の改善によって避けられます

 

2型糖尿病の背景にも遺伝的な体質は絡んでいますが、生活習慣の工夫で避けたり、発症しても身体へのダメージを最小限に抑えたりすることは可能なのです。

 

 

糖尿病発症と深く関わるのは、胃の後ろにある「すい臓」でつくられる「インスリン」というホルモンです。

インスリンは上がった血糖値を下げてくれる人体で唯一のホルモンです。

 

体内には100種類以上のホルモンと、それに似た性質のものが見つかっていますが、人体で血糖値を下げられるホルモンは、インスリンただ1つだけなのです

 

逆に、血糖値を上げるホルモンには、同じすい臓でつくられる「グルカゴン」、「成長ホルモン」「コルチゾール」「カテコールアミン」など数多くあります。

 

1型糖尿病では、すい臓でインスリンをつくる「β細胞」が、自己免疫疾患などでダメージを受けて、必要なインスリンをつくれなくなれます。

それにより、血糖値が下げられなくなるのです。

このため、1型糖尿病の患者さんは、糖質を含む食事をするタイミングなどにインスリンを自ら注射して血糖値を下げます。

 

2型糖尿病では、インスリンの分泌量が足りなかったり、分泌されるタイミングが遅れたり、血糖値を下げる効き目が落ちたりして(これを「インスリン抵抗性」と呼びます)、インスリン作用が不十分になった結果、血糖値が高くなり、下げられなくなります。

 

ここでとり上げる糖尿病は、この2型糖尿病のほうです。

以降、「糖尿病」というときには、特段の断りがない限り、2型糖尿病を指しています。

 

※ポイント 糖尿病を正しく理解して、認知症リスクを下げましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/