第2章 糖質と健康の関係
糖質の摂り過ぎは『糖尿病』のもと
糖質制限は糖尿病も予防できる
糖質制限の目的は、単にやせることだけではなく糖尿病の予防にもあります。
糖尿病はいまや“国民病”ともいえる病気で、2016年の国民健康・栄養調査によると「糖尿病が強く疑われる者」と「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数は合計で2000万人にものぼるそうです。
もはや6人に1人が糖尿病かその予備軍であるということになります。
糖尿病には“1型”と“2型”があり、全体の9割は生活習慣が原因の2型糖尿病です。
糖質の摂り過ぎや運動不足などの生活習慣によって糖尿病になってしまう人がいかに多いか、よくわかるでしょう。
糖質を摂って血中のブドウ糖が多くなると、すい臓からインスリンが分泌されて血糖値を下げます。
しかし糖質を摂り過ぎてすい臓に無理をさせると、やがてインスリンが正常に分泌されなくなり、血糖値を正しくコントロールできなくなります。
その状態のまま何の対策もしないでいると、糖尿病になってしまうのです。
糖尿病を発症する前の段階なら、糖質制限をすることで健康な状態に戻ることも可能ですが、糖尿病になってしまったらもう治すことはできません。
そうならないためにも、普段から糖質を摂り過ぎないように注意して、正常な血糖値を保つことが大事なのです。
糖尿病全体の1割
ウイルスなどが原因ですい臓がインスリンを作れなくなる
注射によるインスリン補給が必要
糖尿病全体の9割
生活習慣によりすい臓が疲れてインスリンの分泌が低下する
日本の糖尿病患者数の推移
糖尿病患者と予備軍を合わせると約2000万人。
また、1955年から2002年の間に糖尿病患者は31.5倍に増えたというデータもあり、生活習慣の見直しが求められています。
「糖質の話 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?