第5章 脳を守るために血圧を下げる方法 肥満を避ける

第5章 脳を守るために血圧を下げる方法

肥満を避ける

 

家庭でいつ測っても正常血圧よりも高いなら、打つ手は2つあります。

 

1つは、肥満気味なら減量すること

もう1つは、塩分過多の自覚があるなら、減塩すること

肥満も塩分過多も、高血圧を招くからです。

 

肥満気味の人は、減量に努めて肥満を避けることを考えましょう。

「やせたほうがいい」といわれると「そんなことはわかってる。けれど、やせられないんだ!」と反感を買いそうです。

 

肥満気味の人は、たんぱく質の摂取量を増やす代わりに、ごはんやパン、甘い飲料など、糖質を豊富に含む食品・飲料の摂取量を少々減らしてみてはいかがでしょうか?

 

もちろん、無理やり減らす必要はありません。

できる範囲で、これまでと比べて糖質の摂取を減らすだけでも、減量効果がもたらされるでしょう。

その分、栄養不足にならないように、肉・魚・大豆製品・乳製品など、たんぱく質が豊富な5大たんぱく源を食べるように意識するといいです。

 

 

それにしても、なぜ太っていると血圧が上がるのでしょうか?

 

どれだけ太っても、血液を送り出す心臓のサイズは変わりません。

そのため太ると、軽自動車のエンジン(心臓)で、大量の荷物を積んだトラック(太った身体)を走らせるように、エンジン(心臓)に大きな負担がかかるようになるのです。

 

太った身体の隅々まで血液を巡らせるため、心臓は強い圧力で血液を送り出そうと頑張らなくてはならないので、血圧が上がるというわけです。

 

ただし、自分が太っているか、太っていないのかは、独断や主観で決めないでください。

 

医学的には、身長と体重から求める体格指数(BMI=体重[kg]を身長[m]で2回割った値)が25以上だと肥満とされます

 

本来、しかし、体脂肪率を正確に測るのは難しいものです(家庭用の体組成計・体脂肪計で測る値は、電気抵抗から類推した参考地でしかありません)。

 

そこで体脂肪率と相関性が高いBMIを、肥満の判断基準としています。

つまりBMIが高いほど、体脂肪率も高くなる傾向があるということです。

 

 

それでは早速、自分のBMIを計算してみましょう。

 

身長165cmで体重70kgだとすると、BMIは「70÷1.65÷1.65=25.7」。

BMI25以上ですから、肥満と判定されます。

 

太りすぎは不健康ですが、実はやせすぎも不健康です。

 

BMIが18.5未満はやせすぎ(やせ)。

高血圧を避け、認知症リスクも低く、もっとも健康的で病気による死亡率が低いのは、年齢性別を問わず、太りすぎでもやせすぎでもない「BMI-22」の体重だとされています

 

厚生労働省では、次の通り、年齢別にBMIの目標値を公表しています。

 

 

目標とするBMIの範囲(18歳以上、男女共通)

 

◎18~49歳 18.5~24.9

◎50~64歳 20.0~24.9

◎65~74歳 21.5~24.9

◎75歳以上 21.5~24.9

 

死亡率が低いBMI22のときの体重を、「目標体重」(理想体重)と呼びます。

目標体重は、次の式で計算できます。

一度自分の身長から計算しておきましょう。

 

◎目標体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

 

身長165cmなら、「1.65×1.65×22≒60kg」が目標になります。

 

目標体重までやせるのが大変なら、最低でも厚生労働省の年齢別のBMIの目標値の上限を下回るように頑張ってみましょう。

 

※ポイント 目標体重を目安に体重をコントロールするように意識しましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/