糖尿病はアルツハイマー病のリスクを2倍にする

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糖尿病はアルツハイマー病のリスクを2倍にする
 
認知症と糖尿病とは相関関係があり、糖尿病がある人は認知症になるリスクが高いということがわかっています。
 
糖尿病とは、血中の糖を細胞に取り込んで、それをエネルギーとして利用するために必要なホルモン「インスリン」の働きが不足して高血糖になり、脳梗塞心筋梗塞、腎疾患、網膜症、神経障害、足の壊疽といった血管性の合併症を起こしてしまう病気です。
 
糖尿病患者の内95パーセントは、生活習慣などに起因する2型糖尿病の人たちです。
 
認知症の研究においては、認知症の人が増えている一因には、糖尿病が増えていることも大いに関係している、といわれています。
 
インスリンがつくられるのは「すい臓」ですが、脳でも少しつくられていて、脳での糖の取り込みをうながして神経細胞の働きが落ちないようにしています。
 
ところが、糖尿病でインスリンが不足すると、「アミロイドベータたんぱく」が分解されずに蓄積されやすくなり、蓄積することで脳の中のインスリンの働きを低下させといった関連が起こりやすくなります。
 
認知症と糖尿病との関係については、福岡県の久山町というところで1961年から続けられている疫学調査が明らかにしています。
 
久山町は、人口約8400人の小さな町なのですが、住民の年齢や職業構成がずっと長い間全国平均とほぼ変わらないままできています。
そのため、ここの人たちを対象とした調査は、日本人の標準的なデータとして健康関連の各領域で活用されているのです。
 
久山町の調査では、糖尿病のある人のアルツハイマー病のリスクは約2倍とされています。
認知症で亡くなった88人の方の脳を調べてみると、記憶を司る「海馬」の遺伝子に後天的な変化が見られ、その遺伝子の中に、インスリンの働きと関わるものが含まれていることもわかりました。
その引き金となっているのが「アミロイドベータたんぱく」の蓄積と考えられています。
 
脳の中でインスリンによる糖の利用が十分にできない状態が起こり、脳細胞の働きが弱まって、集中力や注意力が落ちる。
認知機能が落ちやすくなる。
そこから認知症のリスクが高くなる。
糖尿病によって認知症が引き起こされる流れがこれです。
 
また、糖尿病は、脳梗塞くも膜下出血といった血管の病気を引き起こしやすいため、「アルツハイマー病」だけでなく、「脳血管性認知症」のリスクも高くなってしまいます。
 
糖尿病があると必ず認知症になるわけではありませんが、その可能性は、糖尿病ではない方よりも上がってしまうことはたしかでしょう。
40代、50代で糖尿病を放っておくと、将来的に認知症になる確率が2倍になるともいわれています。
 
糖尿病にいつなってもおかしくない予備軍の人は、日本全国で約1100万人いると報告されています。
生活習慣からくる病気ですから、将来の認知症リスクをなくすためにも、生活習慣を見直していくことが大切です。
「らくらく認知症予防法 生涯健康脳になるコツを教えます! より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
 
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ホモシステインLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
老人の認知症3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
ビタミンB12について?
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