第4章 糖尿病だと認知症の発症リスクが倍増

第4章 糖尿病だと認知症の発症リスクが倍増

 

糖尿病と認知症の関わりについて見てみましょう。

 

糖尿病と動脈硬化認知症との関連を語る前に、まずは「糖質」「血糖」「血糖値」について正しく理解しておく必要があります。

 

糖質は、脳の神経細胞をはじめ、全身の細胞の基本的なエネルギー源です。

そのため、いつでも体内で利用できるように「血糖」として血液中を循環しています(血糖とは、細かくは血中のブドウ糖グルコース]のことです)。

 

また、ひと口に「糖質」といっても、さまざまな糖質があります。

 

ごはんやパン、麺類といった主食に多く含まれているのは「デンプン」ですが、これはブドウ糖を無数に連ねたものです。

 

お菓子などに含まれる砂糖の主成分は「ショ糖」ですが、これはブドウ糖と果糖(フルクトース)が合体したものです。

果糖はその名の通り、果物に多く含まれています。

 

食事に含まれるこうした糖質も、体内の筋肉や肝臓に蓄えられている糖質(グリコーゲン)も、最終的には全身の細胞がエネルギー源として利用しやすい血糖につくり替えられます。

 

この血糖が、血液1dl(100ml)中にどのくらい含まれているかを示した数値が、「血糖値」なのです。

健康な人であれば、血糖値は70~110mg/dl未満の範囲に収まるように調整されていますが、これよりも血糖値が高くなり、下がりにくくなるのが「糖尿病」です。

 

 

さて、ここから久山町研究の貴重なデータを引用しましょう。

 

久山町研究では、糖尿病を評価する指針である「耐糖能レベル」を用いて、「正常耐糖能」「空腹時血糖異常(IFG)」「耐糖能異常(IGT)」「糖尿病」という4つのカテゴリーから認知症リスクを検討しています。

 

空腹時血糖異常と耐糖能異常を合わせて「境界型糖尿病」(糖尿病予備軍Iと呼びます。

 

耐糖能というのは、血糖値を正常範囲に保つため、血糖を処理して血糖値をコントロールする能力のことです。

 

耐糖能レベルは、空腹時に75gのブドウ糖入りの飲み物を飲み、血糖値の変化を調べる「75G経口糖負荷試験」(75gOGTT)の結果により、次のように分類されます。

 

 

4つの耐糖能レベル

 

正常耐糖能 空腹時血糖値110mg/dl未満かつ負荷試験2時間後値が140mg/dl未満

空腹時血糖異常(IFG) 空腹時の血糖値がやや高い

耐糖能異常(IGT) 負荷試験2時間後の血糖値がやや高い

糖尿病 空腹時血糖値126mg/dl以上あるいは負荷試験2時間後値が200mg/dl以上

 

対象となったのは、1988年の健診で75g経口負荷試験を受け、認知症のない60歳以上の住民1017人で、追跡調査は15年間です。

 

その結果、「正常耐糖能<空腹時血糖異常<耐糖能異常<糖尿病」という順番に、脳血管性認知症の発症リスクが高まっていました。

正常耐糖能と比べると、糖尿病だと脳血管性認知症の発症リスクは1.8倍も高くなっていました。

 

さらに、アルツハイマー認知症に関しても、耐糖能異常と糖尿病は正常耐糖能と比べて発症リスクが高くなっていました。

 

糖尿病だとアルツハイマー認知症の発症リスクは正常耐糖能の2.1倍でした。

 

※ポイント 糖質を含む食品・飲料のとりすぎによる糖尿病に注意しましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/