第3章 毎日、卵2個食べる

第3章 毎日、卵2個食べる

 

アルブミンは元気指数

 

健康診断の結果が出たら、ぜひ注目してほしい数値があります。

 

それが、「アルブミン」です。

 

アルブミンは血液中に含まれるタンパク質で、アミノ酸を運搬する役割を果たしています。

アミノ酸は人間の体を構成する基本の物質で、血管、筋肉、髪、皮膚などの材料になります。

もちろん、血管の健康には欠かせない物質です。

 

アルブミンの値を見れば、大切なアミノ酸が十分に供給されているかどうかをチェックすることができます。

 

私はアルブミンを「元気指数」と呼んでいます。

 

 

ある日、85歳の女性の患者さんがクリニックにやってきました。

足取りが重く、肌の艶も悪く、ひと目で衰弱していることがわかりました。

 

血液検査をしてみると、案の定、アルブミン値が低く、危険な状態でした。

 

応急処置をし、タンパク質をたっぷり摂るように指示をしました。

 

それから4カ月後、再びクリニックにやってきたその人を見て、驚きました。

顔色は見違えるように良くなり、背筋もピンと伸びて健康そのものです。

アルブミン値も基準値まで上昇していました。

 

「いったいどうしたのですか?」と尋ねると、女性は「先生にいわれたとおり、毎日、卵を5個ずつ食べました」と答えました。

 

ジョークいった「卵5個」を実践して、すっかり元気になったのです。

 

 

コレステロールは、むしろ下がる

 

卵は必須アミノ酸をすべて含む、優良な食品です。

 

卵の話をすると、必ず「コレステロールが……」と顔をしかめる人がいます。

しかし、それはまったく根拠のない誤った認識であることが証明されています。

 

それどころか、卵白に含まれるシスチンというアミノ酸は、悪玉コレステロール値を下げることがわかっています。

卵黄に含まれるレシチンという脂肪酸も同様の働きをします。

 

卵は、コレステロール値を上げるどころか、下げてくれるのです。

 

毎日2個を目安に、卵を食べるようにしてください。

 

 

アルブミン値と体の症状の関係性

 

アルブンミンの目標値は4.5g/dl

元気指数で筋肉量を計るバロメータ

 

アルブミンの値(g/dl):5.0~ 症状:理想

アルブミンの値(g/dl):~5.0 症状:表情がいきいきとする

アルブミンの値(g/dl):~4.8 症状:爪がきれい

アルブミンの値(g/dl):~4.7 症状:髪が元気になる

アルブミンの値(g/dl):~4.6 症状:肌が艶やかになる

アルブミンの値(g/dl):~4.5 症状:筆者がすすめる目標値

アルブミンの値(g/dl):~4.4 症状:筋肉が増え始める

アルブミンの値(g/dl):~4.1 症状:新型栄養失調

アルブミンの値(g/dl):~3.5 症状:体の機能が衰弱する

厚生労働省の基準値:3.8~5.3

「血管が強くなる習慣 より」

 

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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。

脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。

40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。

脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。

死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。

しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。

 

物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

なお、レシチンアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。

アルツハイマー認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

ビタミンB12は、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。

加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。

さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/