第2章 三大栄養素のバランスをチェック
▼三大栄養素がエネルギーを作る
人間の体を動かすエネルギーは、三大栄養素とも呼ばれる「糖質」「脂質」「たんぱく質」の3つの栄養成分で成り立っています。
「糖質」は私たちの主食であるお米やパンのほか、イモ類、果物にも多く含まれ、食物繊維と合わせることで「炭水化物」とも呼ばれます。
「脂質」は肉類や植物油、バターなどに多く、摂り過ぎると蓄積して体脂肪に。
「たんぱく質」は肉や魚、大豆製品に多く含まれ、筋肉や皮膚を作る材料にもなる成分です。
どれも普段の食卓によく上がるものばかりなので、普通に食事をしていればエネルギー不足に陥ることはなさそうですが、偏食や過食によりバランスを崩してしまう人も多いようです。
厚生労働省が推奨する三大栄養素の摂取目標量は、1日の摂取エネルギーのうち、糖質(炭水化物)50~65%、脂質20~30%(飽和脂肪酸は7%以下)、たんぱく質13~20%(50~64歳の目標量は14~20%、65歳以上は15~20%)。
献立を考える際の目安として覚えておくといいいでしょう。
また、食生活の乱れや過食などにより体型が気になる方は、「BMI早見表」で体格指数をチェックしてみましょう。
理想はBMI22前後、25以上は肥満です。
肥満の方はバランスのよい食事とそれを消費するための適度な運動で、腎臓の負担を減らす必要があります。
▼カラダを作る三大栄養素
肉や魚、卵、大豆製品など
糖質
米やパン、イモ類、フルーツなど
脂質
バターや植物油、肉類、菓子など
「腎臓の話 より」
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が「卵黄」です。
なお、レシチンをアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
ビタミンB12について?