何をしようとしていたのか、わからなくなる

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何をしようとしていたのか、わからなくなる
 
晩ごはんをつくろうと買い物に行くとき、ほとんどの人はメモを持ちません。
それくらいのことなら、メモを取らなくても考えられるからです。
 
そのようにメモを取るまでもなく一時的に必要な情報を記憶しておき、それらを組み合わせて考えをまとめる頭の働きを「ワーキングメモリ」といいます。
何かをしようと考えるとき重要な役割を果たしています。
 
脳のこの機能は前頭前野の部分で行われています。
日常生活で私たちが何かをしようとしたら欠かせない脳の働きなのです。
ですから、ワーキングメモリが劣化すると、自分が何をしようとしていたのかわからなくなることも起ってきます。
 
ところがワーキングメモリは、一度にたくさんのことをしたり、複雑なことをしたりするのは苦手です。
たとえば、晩ごはんをつくることは、このワーキングメモリで行える活動です。
ところが、晩ごはんをつくろうとしているとき、突然電話がかかってきて話をしているうちに、何かをやろうとしていたのかわからなくなったりするのは、そのためです。
 
ワーキングメモリは一時的に必要な情報を記憶しておき、それらを使って頭を働かせますが、終わるとその記憶は消えてしまいます。
記憶の領域がごく限られているからです。
数字ならば5個~9個ほどです。
郵便番号くらいの長さです。
 
認知症になると、このワーキングメモリの領域がさらに狭くなっていきます。
数字ならば5個以下になり、ついには1個でも危なくなります。
 
そうなるとワーキングメモリの働きが低下するため、自分が何をしようとしているのかわからなくなるという症状が出てくるのです。
 
ですから、認知症を予防するには、ワーキングメモリの領域を広げる訓練も有効です。
といってもそれほど難しいことではありません。
ちょっとしたことで簡単にできます。
 
たとえば、カラオケを歌うとき歌詞を暗記して歌うのはワーキングメモリの領域を広げるのに効果的です。
電車に乗っているとき目にした広告をパッと覚え、そのあと目を閉じて、頭の中でその看板を再現する訓練も効果的です。
これを次々とくり返します。
 
人と話しているとき、私たちは相手の話の内容を一時的に記憶して自分の考えをつくり、それを相手に話すことをくり返しています。
ここで中心的に働いているのがワーキングメモリです。
 
ところが何気なく相手の話を聞いていると、ワーキングメモリが働かず、自分の考えだけを一方的に話してしまい、話がかみ合わなくなったりします。
相手が話しているとき何を話しているか集中して聞くようにすると、ワーキングメモリが働くため、その領域を広げる訓練になるのです。
 
 人の話を聞ける人はボケにくいといわれますが、ワーキングメモリのことを考えると、これは確かなことです。
60歳からはじめる認知症にならない超簡単脳にいいこと より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。
 
京都大学医学部老年科の亀山教授によると、健康な老人の脳に比較して、老人性認知症患者の脳では、含まれるビタミンB12が、半分どころか、1/41/6程度にまで、低下していたと報告しています。

ビタミンB12は、レバーなどの動物性食品に多く含まれ、植物性食品にはほとんど含まれていませんが、例外的に味噌や納豆のような発酵食品に含まれます。

ビタミンB12は、水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造をもっています。
脳は、たんぱく質とともに脂肪成分を多く含む器官です。そのため、ビタミンB12はたやすく脳に入り、脂肪成分による汚れで詰まった部分を洗い流すことにより、復元し、また、切れた部分があれば、修復作用を発揮します。

ビタミンB12は、核酸とタンパク質の合成に関わり、脳や神経系との関わりが深く、また、ビタミンB6葉酸とともに動脈硬化の原因となるホモシステインを減らす働きがあります。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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